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リスク取り、世界中で攻める

米ゴールドマン・サックスCEOが語る

  • 酒井 耕一,宇賀神 宰司

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2008年8月5日(火)

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 サブプライムローン問題がきっかけで経営悪化に苦しむ米国の大手金融機関。破綻したベアー・スターンズをはじめ、メリルリンチは2008年4~6月期にサブプライム関連で約1兆円の損失を計上。シティグループも同期に約2600億円の純損失を出した。米住宅価格の下落は続き「金融機関発の景気悪化」への不安が漂う。

 こうした中で、異彩を放つのが米ゴールドマン・サックスだ。2008年3~5月期の営業収入は94億ドル、純利益は20億ドルと、それぞれ前年比で7%減、11%減にとどまった。稼ぎ頭は株式や債券の自己売買部門。サブプライム関連の損失は7億ドル(同期)と低く、他の大手と違って資本増強もしていない。苦境の時代になぜ“堅調”を保てるのか。そのリスク管理の手法とは。来日したゴールドマン・サックスのロイド・ブランクファイン会長兼CEO(最高経営責任者)に聞いた。

(聞き手は酒井 耕一、宇賀神 宰司)

ロイド・ブランクファイン(Lloyd C. Blankfein)氏

ロイド・ブランクファイン
(Lloyd C. Blankfein)氏

米ニューヨーク州出身。1982年に米ハーバード大学法律大学院(ロースクール)で修士号を取得し、ゴールドマン・サックスに入社。債券や為替、商品の取引部門で活躍し、2003年社長兼COO(最高執行責任者)。2006年に現職に就任。

  多くの米金融機関がサブプライム問題で苦しむ中で、ゴールドマンは比較的健全さを保っている。その理由は何か?

  サブプライム問題はすべての金融機関に悪影響をもたらしている。他社に比べると堅調だが、私たちも例外ではない。優れていたのはサブプライム問題に対する予測ではなく、起こった後の対応の速さだ。もし手を打つのが遅ければそれだけ市場の流動性はなくなり、問題から抜け出せなくなる。

 これは社員の能力と組織によるところが大きい。金融知識と経験を持った社員が、市場を注意深く見守り、何か問題が起きていないか、企業価値を損なうようなことはないかを分析している。そして、何か異常があれば社員は即時、上司に報告する。重大な問題が発生すれば、その日のうちにCEOの私まで報告が来る。結果、問題が起きた直後にその本質を見いだせる。

英巨大ヘッジファンドを買収

  資本市場では住宅債券を組成したSIV(ストラクチャード・インベストメント・ビークル)やCDO(債務担保証券)といった複雑な新商品が日々、取引されている。新商品のリスク管理をどう確立しているのか。

  まず商品を理解し、あらゆる環境下でテストをすることが重要だ。しかし想定外の環境では、それぞれの商品は驚くほど違った動きをする。実際に、可能性が少ない出来事が発生したため、それが原因で予期しなかった動きをしている証券もある。

 CDOを例に取ってみれば、人々は(商品について)よく知っていたにもかかわらず、住宅価格が20%も落ち込むとどんな状況になるのかについては、ほとんど理解していなかった。住宅価格がそこまで落ち込むとは考えもしなかったからだ。(高い評価・格付けである)スーパーシニアやトリプルAを持った金融商品も突如として運用成績が悪くなった。

 何か起きた後には物事は明白になる。しかし起こる前は誰も理解することができない。大切なのはリスクは世界中にあり、未曾有の出来事は常に起こり得るという危機感を持ち、それに備えることだろう。

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