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世界で実験、ネットワークの勝利

北京五輪直前、「魔法の水着」開発責任者が語る舞台裏

  • ロンドン支局 田村 俊一

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2008年8月7日(木)

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 ロンドンから北西に約190km。人口26万人ほどの都市、ノッティンガムの郊外にスピードはある。世界新記録を連発した水着「レーザー・レーサー」で世界を驚かしている会社の本社は一見、倉庫かと見まがうほど質素で、こぢんまりとしていていた。世界各地の大学、研究機関、スポーツ専門家、繊維会社などとのネットワーク力で革新的な製品を世に送り出した同社を象徴するような建物だ。 今年で創業80周年を迎える同社で、レーザー・レーサーの生みの親である、開発部門「アクアラボ」の責任者、ジェイソン・ランス氏に話を聞いた。

(聞き手はロンドン支局 田村 俊一)

 レーザー・レーサーは今までの競泳界の常識を覆す水着だと言われています。

 我々研究開発チームは素材、デザイン、そして製造方法の3点において、どう革新的な技術を盛り込むかを常に念頭に置いています。その成果がレーザー・レーサーです。

 素材では、「LZRパネル」と「LZRパルス」という非常に薄く、軽量で撥水性に優れた布地を開発しました。わずか3つの布地から立体的かつ理想の流線形を作り出したデザインも画期的です。そして製造法に関しては、世界初の超音波溶接技術を開発しました。

 レーザー・レーサーで日本新記録を出した選手の中には「後半も苦しくなく、ペースが落ちない」という感想を述べた人がいます。なぜですか。

 まず、水着自体が非常に軽いということでしょう。重さは120g弱で、水を吸収してもそれほど重くなりません。これは撥水性が高い生地を採用したためです。そして、一番大きいのは、LZRパネルと縫製技術によって、水中で受ける抵抗が著しく減少したことにあります。

 シドニー五輪で我々が提供してやはり好記録を連発した「ファストスキンFS?」と比べると、抵抗は24%も減少しています。そして超音波溶接技術によって、これまでの水着にあった縫製や接着剤による出っ張りを極力なくすことができました。これで6%ほど抵抗が減ります。

 抵抗が減ったことで、選手の酸素消費効率も5%ほど改善しますから、後半まで力を発揮できるのです。

水着のF1マシン

 その代償として、着るのが難しい、着心地が悪いとも言われますが。

 理想の流線形を維持するために、LZRパネルの部分はほとんど伸縮性がありません。締めつける力もこれまでの水着の10倍はあります。だから着るのが難しい。

 レーザー・レーサーは自動車の「F1」マシンのようなものです。速さを求めるF1には乗り心地は求められないでしょう。

 開発の過程についてもう少し詳しく話してもらえますか。

 先ほどF1と言いましたが、別の言い方をすれば、女性のコルセットに近いものと考えてください。選手の体を水中で理想の形に安定させ、最も抵抗を受けにくくする。これがレーザー・レーサーのコンセプトなんです。

 それはまず体内部の体幹支持筋群(コアマッスル)を安定させることから始まります。

 例えば、ヨガでは、体幹筋肉が安定していないと正しい姿勢は維持できません。この重要性はあらゆるスポーツに共通しており、ゴルフのタイガー・ウッズなどもこの点を重視しています。

 我々はオーストラリアのスポーツ研究所の研究者、スポーツ科学、生物力学、生理学といった専門家との協力からその重要性を学びました。

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