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【目配り上手が選手を変える】
北島康介の五輪金メダルを支える戦略家

平井伯昌[東京スイミングセンターコーチ]

2008年8月8日(金)

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五輪直前、3人の名伯楽が語る人材育成術

北京五輪で活躍が期待される選手やチームには優れた指導者がいる。
今回登場する3人に共通するのは個人の特性と成長を見極める目だ。
日本選手が世界で勝つために彼らのマネジメント力がモノをいう。

平井コーチ

平井 伯昌(ひらい・のりまさ)
早稲田大学社会科学部卒業後、東京スイミングセンターに入社。96年から北島康介を指導し始め、五輪の金メダリストに育てた

写真:清水 盟貴

 「いやー、うちの選手はびっくりするくらい調子がいいよ」
 7月21日、東京スイミングセンターコーチの平井伯昌(45歳)は独特のしゃがれた声でこう切り出した。

 午前中の練習で北京五輪の競泳日本代表の北島康介、中村礼子、上田春佳の各選手が好記録を連発したからだ。平井が指導する3人を含む日本代表選手は7月15日に4週間に及ぶ高地合宿から帰国したばかり。一般的に高地帰りから日が浅いと調子が悪いもの。それにもかかわらず選手たちの泳ぎは快調だった。特に平井が12年間指導する平泳ぎの北島は、アテネ五輪に続く金メダル獲得に向けて順調な仕上がりを見せている。

暗雲立ち込めた水着騒動

 だが、ほんの2カ月前の日本選手団には、重苦しい雰囲気が漂っていた。平井も例外ではない。「今年は五輪直前までが大変だった」。選手やコーチの神経をすり減らせたのは、競技そのものではなく「水着問題」だった。

 昨年から、英スピード製の水着「レーザー・レーサー(LR)」を着た海外選手が、次々と世界新記録を更新。その一方で、日本メーカーの水着を着た日本選手の記録が伸びず、日本競泳陣は五輪で惨敗するのではないかとの悲観論が広がっていた。

 世界の一線で戦い続けてきた平井は、急速に開いた世界との差に違和感を持つ。単に水着の差なのではないかと。そこで、実際に試すことにした。LRを借りてきて、合宿で選手に着用させてみると、各選手が好記録をマークし、疑問は確信に変わった。平井の考えは明確だ。「世界で戦う選手を水着で不利にさせたくない」。

 だが、日本選手がLRを着用するためには大きな障害があった。日本水泳連盟は選手が着られる水着をミズノ、デサント、アシックスの国内3社に限っていたのだ。メーカーと個人契約を結んでいる選手もおり、LRを着用できる雰囲気は熟成されていなかった。メーカーへの配慮と、タイムを速めたい競技者としての本能。この時期、競泳関係者は様々なしがらみの中で苦しみ、奥歯にものが挟まった物言いに終始していた。

 その最中に、平井は「水着が心配」と、はっきり水着問題に言及する。平井には覚悟があった。「選手は言えない。コーチが汚れるしかなかった」。

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「【目配り上手が選手を変える】
北島康介の五輪金メダルを支える戦略家」の著者

大西 孝弘

大西 孝弘(おおにし・たかひろ)

日経ビジネス記者

1976年横浜市生まれ。「日経エコロジー」「日経ビジネス」で自動車など製造業、ゴミ、資源、エネルギー関連を取材。2011年から日本経済新聞証券部で化学と通信業界を担当。2016年10月から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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