• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

若いマグマが組織の岩盤を突き破る

菱食・中野勘治社長が語る組織改革術
過去の成功体験の呪縛から企業は脱却できるのか(下)

2008年8月29日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

食品卸の雄、菱食が取り入れた異色の研修、「トップガン・プロジェクト」は、当時、副社長だった中野勘治社長の肝いりで始まった。組織に変革の核を作り、会社を土壌から変えていくこの活動。同社を取り巻く内外の環境に対する、中野社長の強烈な危機感が背景にあった。トップガンにかけた思い、そして食品卸の未来について、中野社長が語った。

――今回のトップガン・プロジェクトを始めたきっかけは何だったのでしょうか

中野勘治

中野勘治(なかの・かんじ)
1939年7月、愛知県生まれ。62年に日本冷蔵(現ニチレイ)入社、93年常務、95年専務。2003年10月、菱食とニチレイの合弁会社、アールワイフードサービスの社長に就任。2006年10月、菱食がアールワイフードサービスを合併したことで菱食の副社長になる。2008年3月、同社社長に就任した(写真:村田和聡、以下同)

中野 菱食は役職者を階層別に集めた研修をやっていました。ところが、これが全然意味ないわけ。2日間、高い金をかけて外部のコンサルタントを呼んでいるのに、みんなほとんど聞いてない。副社長の時、私も彼らを前に話をしましたが、こいつら絶対に聞いてないな、と肌で感じた。真剣にしゃべればしゃべるほど空しくなりました。

 こういう組織風土を壊すにはどうすればいいか。もやもやしていた時に、今回のトップガンをやってくれた西野さん(プロシードのファウンダー)と酒を飲む機会があった。その時、この人が「土壌から変えないと無理ですよ」と言う。だったら、従来の階層別研修ではなく、全く別の発想で研修をやってみようと思ったわけです。

――「土壌を変える」というのはどういうことでしょう。

中野 マグマを表に出したかったんですよ。地表の下には、もやもやしているヤツが絶対にいる。入社後、10年ぐらいたって、会社の現状に問題意識を持っている連中は必ずいるはず。こいつらを地表に出すには、地面を揺するようにして穴を開けることが重要だなと。それで、試しに15人を選んでやってみた。

 実際に、トップガンの経緯を見ていると、とても面白かったですね。研修の冒頭、「10年後に菱食は残っていると思いますか」って西野さんは聞くんですね。私なら絶対に「残っていない」と答えるね。何かしらの問題意識があるヤツだったらそう言うでしょ。今の状況で「残っている」と言うヤツはバカだよね。

階層と階層、世代と世代のぶつかり合いが重要

 もちろん、この時も全員が「残っていない」と答えた。でも、「ない」と答えれば、次に「どうするんだ」っていう話になる。そういうところから問題提起させ、最後は土壌改革に対する結論を出させる。この過程はとても面白いと思いましたね。

――確かに、「残ってない」と言った以上、会社を生き残らせるにはどうするか、を考えざるを得ませんからね。

中野 そう。それと、階層を離れて社員が話し合う、コミュニケーションの場ができた意味も大きいですね。トップガンの途中では、メンバーと部長クラスが議論する機会がありました。次世代の役員連中と30代の若手社員が意見交換する。階層と階層、言うなれば次世代と次々世代がぶつかり合うことは、これまでの菱食になかったことです。

――そういうコミュニケーションは全くなかったんですか。

中野 ないですね、そんなものは。菱食は本当に男社会。セクションが違うと全然、口を利かない。同じ会社なのにね。はっきり言って、トップガンで出した結論も重要ですが、コミュニケーションができてしまえば勝ちですからね。その場を作ることが先決だったわけです。

 さっきも言いましたが、トップガンの様子を見ていて、本当に面白いと感じた。だったら、つまらないお仕着せの研修なんて予算のムダだからやめてしまえ。全部、トップガンにしてしまえ、と大号令をかけた。今は全社的にトップガンにしよう、としているところです。

コメント1

「ニュースを斬る」のバックナンバー

一覧

「若いマグマが組織の岩盤を突き破る」の著者

篠原 匡

篠原 匡(しのはら・ただし)

ニューヨーク支局長

日経ビジネス記者、日経ビジネスクロスメディア編集長を経て2015年1月からニューヨーク支局長。建設・不動産、地域モノ、人物ルポなどが得意分野。趣味は家庭菜園と競艇、出張。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック