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政治漂流

世界を襲うリーダー不在

  • 田村 賢司,磯山友幸,杉山 俊幸,伊藤 暢人

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2008年9月4日(木)

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福田康夫首相が1日、突然辞意を表明した。
1年に2人の首相が政権を放り出す異常な事態。
政策や信念よりも、人気取りとその場しのぎが優先。
国民は呆れ果て、経済は混迷の度を増すばかりだ。
政治漂流──それは、何も日本に限った話ではない。
各国のリーダー不在は、世界経済の危機を増幅しかねない。

 「議長ですから、皆さんのお話をよく聞きながら、取りまとめていきたい」──。日本語でも素っ気なく聞こえる福田康夫首相の答えを聞いて、会場にいた古川元久衆院議員(民主党)は、「英語通訳を通して聞く聴衆は、リーダーシップのなさを感じるのではないかと不安になった」という。

ダボス会議に見えた予兆

 今年1月、スイスの保養地ダボスで開かれた世界経済フォーラム。環境問題に関する演説の後に、トニー・ブレア前英首相から、主要国首脳会議(洞爺湖サミット)での抱負を聞かれた一幕だ。演説が関係者から一定の評価を得るなど、一見首相の絶頂期だった。だが、実はこの時からつまずきは始まっていたのだ。

 福田首相は「調整型」を自任する。実際、周囲の意見もよく聞いていた。それだけに違う意見を持つ人たちが期待を抱いていたのだ。だが全員が満足する答えなど出せるはずはない。最後の決断で失望したり、こんなはずではなかったと感じさせられることになる。こうして福田首相は徐々に、政策的に「股裂き」状態になっていったように見える。

 「首相にはやりたいことがないんですよ」。安倍内閣時代から官邸で政策立案に携わってきた官僚の1人は、そう見切っていた。やりたいこと、言い換えれば信念である。信念なくしてリーダーシップなど生まれるはずがない。だが福田首相のリーダーシップの定義は違ったのだろう。小泉純一郎元首相が「郵政民営化」で、安倍晋三前首相が「教育改革」などで発揮したリーダーシップの手法を、強引で独裁的な手法として見下していた感がある。

 結果、すべての決断が後手に回った。日銀総裁人事で財務省出身の武藤敏郎氏(当時副総裁)を民主党が拒否した後に、同じ財務省出身の田波耕治・国際協力銀行総裁を提案したのも、ギリギリまで周囲の意見を聞いての決断だった。しかし、その結果、日銀総裁空席という異常事態を招いてしまう。揮発油税の暫定税率問題でも、いったん暫定措置が切れるという醜態を演じた。

 公務員制度改革でも、反対意見が根強い霞が関の声が通ると思われていたが、最後には人事を一元管理する内閣人事局の新設を首相自らが決断した。「3月上旬まで全く関心を示していなかったのに」と担当の渡辺喜美・行政改革担当大臣(当時)が目を丸くするほど、周囲には「豹変」と映った。

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