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“低炭素革命”はどこへ行った?
環境問題へのビジョンに欠けた福田内閣

2008年9月5日(金)

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 9月1日夜、福田康夫首相が突然に辞意を表明したのには、本当に驚いた。翌朝の新聞のコラムには「さほど意外ではない。辞める前兆はあった」という見方もあった。それにしても、内閣改造をしてからわずか1カ月、「さあ、12日から臨時国会」というタイミングでの突然の辞任には、ひとまず驚くのが正常な反応だ。驚くことすらやめてしまっては、無力なニヒリズムに陥ってしまう。

 2日午後、東京大学名誉教授で国連大学前副学長の安井至さん(現・科学技術振興機構研究開発戦略センター上席フェロー)と電話で話をした。

 安井さんは「学者などのように環境をやっている人たちの間では、福田さんの評判は意外によかったのですよ」と話してくれた。「福田ビジョンの中身そのものはある程度評価できるし、洞爺湖サミットも頑張って切り盛りしていました」

明確な意思表示のなさが国民の不信につながった

 ところが福田内閣の世間の評判は、環境政策も含めて「20%台」と、各世論調査の内閣支持率が示した通りだ。

 安井さんは「国民に対するコミュニケーション、情報発信のやり方が悪かったのだと思います」と振り返る。確かに筆者も、福田首相だけではなく、今の政治家全体からの明確な「意志表示」がないことが、国民の不信につながっていると思う。

 環境問題もその1つだ。例えば、風力発電や太陽光発電、バイオマスなどの自然エネルギー。スウェーデンのカールグレーン環境相は、筆者が編集長を務めるビジネス情報誌「オルタナ」でのインタビューで「現在、消費エネルギーの40%がバイオマスを中心としたエネルギーで、この比率は2020年までに50%に引き上げる」と明言した。

 ドイツは2030年までに45%、デンマークは2020年までに30%、英国は2020年までに20%。このほかフランスや中国、カナダも20%前後と、軒並み20%ラインを超えている。ひるがえって、日本の目標は「2014年までに1.63%」。目を覆いたくなる数字である。

 日本政府と電力会社は、戦後60年以上の年月と2度の石油ショックを乗り越えてエネルギーの安定供給を確立してきたことは理解できるが、「第3次石油ショック」と形容してよいほどの原油の高騰の中、これまでの電力ポートフォリオを大きく変えないのは、エネルギーの安定確保の見地からも、のんびりし過ぎていると言わざるを得ない。

 スウェーデンのカールグレーン環境相は「成長と低炭素化は両立可能であり、低炭素化は今後の長期的な成長の前提条件だ」と言い切る。つまり、「環境立国」である。自然エネルギーの開発を政府が後押しし、自らが持続可能な社会を確立するとともに、環境技術を他国に売ることで経済成長を目指す。そこには明確なビジョンがある。

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