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マキタ、改善推進の秘けつは「健全な競争意識」

唯一の国内工場では年間1万件もの改善提案

  • 杉山 泰一

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2008年9月11日(木)

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 ドリルやドライバー、グラインダーなどプロ向け電動工具市場で世界最大手のマキタは、製造現場の業務改善活動を年々活性化させることに成功している。特にここ数年は、同社で唯一の国内工場である岡崎工場(愛知県岡崎市)で改善が盛んだ。その秘けつは健全な競争意識を社内で作り出していることにある。

 「2001年に主力製品の量産拠点としての役割を中国工場に移すと決めてから、社内競争意識が芽生えた。人件費が低い中国工場よりも生産性を高めるためにはどうしたらいいか。そのための知恵を岡崎工場で出し続けている」(マキタの鳥居忠良取締役生産本部本部長)。

 30カ国以上に販売子会社を持ち、3400億円の売上高のうち2900億円を海外で稼ぐマキタは、日本、中国、米国、カナダ、英国、ドイツ、ブラジル、ルーマニアに生産拠点を持つ。マキタは、改善活動におけるこれら8個所の工場の役割分担を2007年度までに段階的に明確化してきた。生産台数の6割は中国工場が担っている。

 日本の岡崎工場は「改善のマザー工場」「中国工場の先生」といった位置付けである。岡崎工場では2007年度に、製品の加工工程、組立工程、製造設備、治具、工場内物流などに関して約1万件もの改善提案があった。これらは製造現場が自発的に提案したものだ。改善ノウハウを蓄えた岡崎工場の従業員は、中国工場を中心にして各国の工場へ応援出張を行い、マキタ流ものづくりを指導している。各国の現地スタッフを研修生として受け入れてもいる。

 同社の後藤昌彦社長も自ら熱心に改善を鼓舞している。本社と岡崎工場は6~7キロメートルしか離れておらず、後藤社長は頻繁に岡崎工場を訪問する。しかも、新製品の組立ラインができ上がると、後藤社長が自らラインに入り、新製品を組み立てて見せることがよくある。全拠点を合わせると従業員数が1万人を超す大企業で、ここまで現場志向な社長は珍しいだろう。「社長が来てくれることで現場が大いに盛り上がるだけじゃなく、いい加減なことはできない、生産効率の高いラインを作ろう、と気が引き締まる」と鳥居取締役は語る。

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