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今時の外資買収、“チキン”の逆襲?

「臆病は損か?」について再度論じてみる

  • 竹中 正治

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2008年10月8日(水)

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 9月24日、東京で雑誌「ユーロマネー」の日本資本市場コングレスが開催された。私は「規制対改革(Regulation vs. Innovation)」と題されたパネルでの発言を終えてから、「日本版政府系ファンドの創設」と題したセッションに一般参加した。田村耕太郎・参議院議員への公開インタビューである。

 ピチピチパンツの派手なスーツにマッチョな身体をつつんだ田村議員が、日本版SWF(政府系ファンド)プロジェクトについて英語で持論を展開した。その後フロアーから質問が出た。

 「欧米の大手金融機関がサブプライム危機で大損害となり、淘汰の嵐に揉まれている。一方、日本の大手金融機関は買収や大口出資に動き出した。こうした状況をどう思うか?」

 そういう趣旨の質問だった。もちろんその念頭には、野村ホールディングス8604が破綻した米リーマン・ブラザーズのアジア・パシフィック地域部門及び欧州・中東地域の株式及び投資銀行部門を買収したことや、三菱UFJフィナンシャル・グループ8306が米モルガン・スタンレーに約9500億円の大規模出資することなどを置いた質問だった。

チキンよ、変われ!

 田村議員は応えて言った。「日本の金融機関は“チキン”(chicken:臆病者の意味)である。しかし“チキン”にもラッキーな局面はある。例えて言うと、積極果敢で野獣のような欧米の大手金融機関が激烈な生存闘争で壊滅してしまった。逃げ隠れしていた“チキン”が生き残った局面となったのだ。しかし“チキン”のままではダメだ。“チキン”は変わらなければならない」。

 セッションの後、カクテルパーティーの場で田村議員にこう申し上げた。「田村先生、最後にもう1つ言ってほしかったですね。“The Chicken Strikes Back!(チキンの逆襲)”ってね」「おっ! それは面白い! それは竹中さんがフロアーから言ってくれればよかった(笑)」。

 日本の金融機関=チキンで思い出すのは、昨年8月のNBオンラインでのJ・W・チャイ氏の論考「『損失が少ない』は誇れるのか」である。引用してみよう。

 「欧米の金融機関の多くは、こうした金融商品で過去に莫大な利益を稼いできた。そして今回の信用収縮で損失を出したといっても、その多くは会社が揺らぐほどのものではない。こうしたハイリスク・ハイリターンの商品に対し、リスクを承知でポートフォリオに組み込んできた欧米の銀行と、消極的だった邦銀。その結果、『損失額が少ない』と胸をなで下ろしているのだとしたら、時代錯誤だろう」

 当時、私はチャイ氏の議論が単純で一面的過ぎることを批判したが(「ジャパン・マネー、臆病は損か?」)、チャイ氏の議論が反論する価値もないほど的外れだったことは、もはや誰の目にも明らかだ。

 しかし、サブプライム危機に端を発したバブル崩壊的な金融危機は、なぜ起こったのか。「チキンの国」に生きる私たちとしてはその教訓を正しく抽出して、「野獣たち」の轍を踏まないことが肝心だ。この点を考えてみよう。

「規制」には2種類あることを忘れてやしないか?

 米国の住宅バブルとその崩壊による金融危機は、「行き過ぎた金融自由化(規制緩和)の結果であり、規制の強化が必要だ」という議論がある。冒頭に述べたユーロマネー誌のパネルのテーマ「規制対改革」もそうした問題意識を下地に、規制と自由なビジネスイノベーションのあるべきバランスを考えようという趣旨だった。

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