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生産活動、世界で縮む

日本企業に迫る津波(1)

  • 星 良孝,飯山 辰之介

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2008年10月20日(月)

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設備投資の先行きを占うのが、工作機械や工具業界の業績だ。
主要企業に話を聞いたところ、受注に急ブレーキがかかっている。
日本、中国、欧州向けが減速し、世界中で製造業が萎縮している。

 9月末、森精機製作所の森雅彦社長は、ドイツ南部に本社を構える中堅のエンジンメーカーで大歓迎を受けた。スイス国境に位置するコンスタンス湖に近い工場で、森精機の工作機械とファナックのロボットを組み合わせた最新鋭のラインが稼働する。その記念式典が、日独の関係者を集めて盛大に行われた。

 この取引は、相反する2つの意味で森社長の記憶に強く残った。

 1つは、ドイツ製の工作機械に慣れ親しんだ現地企業が、森精機の製品を選んでくれたこと。ドイツ南部から北イタリアにかけては一大工業地帯。ドイツの工作機械メーカーが高いシェアを握る地域で大型製品を受注したことは、森精機の海外展開上、重要な意味を持っていた。

 もう1つは、それとは懸け離れたトラブルだった。サブプライム問題に端を発する金融危機から思わぬ横槍を入れられたのである。

欧州で広がる銀行の貸し渋り

売上高1割減と見る森精機製作所の森雅彦社長

売上高1割減と見る森精機製作所の森雅彦社長(写真:柴田 一)

 今回、顧客となった独メーカーは、生産設備をリースで調達する計画だった。この審査を取引銀行が通さなかったのだ。本来であれば、銀行との間でリース契約が締結され、森精機は代金を受け取れるはずだった。

 この時の独メーカーの設備投資額は約40億円。いったん新ラインが稼働し、年間数万個のディーゼルエンジン部品を製造すれば、米国の大手エンジンメーカーなどへの納入が決まっており、年間数十億円の安定した収入を得られる。投資回収に障害はほとんどなかった。中堅とはいえ、この独メーカーの取引先には、欧米の有力自動車メーカーが名を連ねる。技術力には定評があり、信用力もあった。にもかわらず、銀行はリースの審査を通さなかった。

 森社長は困惑した。「従来ならば、必ず通っていたはずだが…」。

 結局、森精機は製品の輸出で提携している三井物産に事情を話し、協力を得ることにした。三井物産がこの独メーカーの信用力を調査し、融資を決めたことで、事なきを得た。

 森社長は、「これはほんの一例。(サブプライム問題の震源地である)米国ではなく、欧州の工業地帯で、リースがつかないケースが相次いでいる。要するに、欧州で貸し渋りが始まっているということ」と語る。

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