• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

世界の胎動に取り残される無為無策ニッポン

過熱する原子力ビジネス(3)

  • 児玉 博

バックナンバー

2008年10月27日(月)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 1850年に創業された米リーマン・ブラザーズ証券が金融史から消えようとしていたちょうどその頃、ウォール街のみならず世界の株式市場は1人の投資家に救いを求めているかのような状況だった。

 投資家の名はウォーレン・バフェット。

 世界的な金融パニックの最中、米GS(ゴールドマン・サックス)に50億ドル、日本円にしておよそ5000億円の出資をしたかと思えば、資金繰りが悪化していた米GE(ゼネラル・エレクトリック)には30億ドルを出資。一個人投資家がさながら国家に成り代わり企業を救済していった。

 有力大統領候補、バラク・オバマの実質的な経済顧問を務めるバフェットによる救済劇は、まるで次期政権の経済政策を反映しているかのようでもあるのだが。

 その意味でGS、GEのように目立たなかったものの、米電力卸大手「コンステレーション・エナジー・グループ」への50億ドルの投資は、次期政権のエネルギー政策、なかでも原子力政策への強いコミットメントを表すものとして非常に興味深い。GEへの投資もその一環であることは明白だ。

 それから1カ月もたたず、やはりバフェットが株式の87%を握る米電力大手「NRGエナジー」が、米原子力発電最大手「エクセロン」によって敵対的な買収の標的にされたのだった。

 過去30年にわたって原子力発電所の新規建設が行われてこなかった米国。ブッシュ政権はそれを一転、30基以上の新規建設計画を支援する方針を明確にしている。つまり米国にも“原子力ルネッサンス”が訪れ、世界的な地位の低下が否めなかった米国の原子力産業が再び胎動を始めたのである。

 そうした中で起こっているのがバフェットの「コンステレーション」への巨額投資であり、「エクセロン」の「NRGエナジー」への敵対的な買収なのである。

こうした動きは日本の原子力産業にも色濃く影を落とす。

 ウエスチングハウスを傘下に収めた東芝は「NRGエナジー」発注の原子力発電所を昨年およそ6400億円で受注しており、またGE-日立連合は「エクセロン」から新規原子力発電所の建設を受注すると見られている。

 世界中で神の火をめぐって激しく鎬が削られているのである。

 米国内から欧州に目を転じてみるとどうだろうか。やはりここも激しい戦いの場となっている。

 英電力大手BE(ブリティッシュエナジー)を約2兆4000億円で買収したのは仏電力公社。英国内に4基の原子力発電所の建設を予定しており、受注するのは仏アレバと見られている。

 そのアレバに足元から侵食されているのが日本の原子力産業なのである。

コメント0

「児玉博の「見えざる構図」」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

人は何か自信を持って誇れるものを持っているはずです。

為末 大 元プロ陸上選手