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品質に自信あれば、市場縮小も不安なし

  • 佐藤 慶子

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2008年10月27日(月)

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 市場はピークの1980年前後の約8分の1。国内のピアノ市場は、少子化や愛好家の減少で、市場規模は縮小の一途をたどり、2007年には年間販売台数は3万台を割った。中でも高額のいわゆるグランドピアノは2000年に1万台を割った後、低迷が続き8000台前後で推移している。

 こうした厳しい市場環境の中、1台1000万円近くから2000万円強の高級グランドピアノを販売するイタリアのファツィオリ(Fazioli)は、日本での販売を強化するため、日本のピアノフォルティ(東京都港区、アレック・ワイル社長)と総代理店契約を結んだ。

 縮小する国内市場に加え、世界的に景気後退が進む中、日本市場に進出する狙いについて、ファツィオリの創業者で代表のパオロ・ファツィオリ氏に話を聞いた。


パオロ・ファツイオリ氏

パオロ・ファツィオリ氏(Paolo Fazioli)
イタリアの高級ピアノメーカー、ファツィオリ(Fazioli s.r.l.)社長。1944年 イタリア・ローマ生まれ。69年ローマ大学工学部卒業、71年にロッシーニ音楽院でピアニストの学位取得。81年ファツィオリ設立、現在に至る。 (写真 花井 智子、以下同)

 ―― 日本のピアノ市場は厳しい環境に置かれていますが。

 ファツィオリ 確かに日本のピアノ市場は縮小していますが、今後は、安定的に推移すると思います。競争は激しいですが、当社が手がけるような高品質のピアノの需要は伸びていくと見ています。

 メインの顧客はコンサートホールやアーティストになりますが、40代から50代、もしくは60代の一般の消費者も当社の顧客になっていただけると見ています。小さい頃、ピアノを習っていましたが、何らかの事情でピアノから離れることになった人たち。こうした方々の中には、再びピアノに挑戦したり、ピアノを生活に取り込みたいと考えていると思います。

 40~60歳の方がピアノを始めると「やはりいいものがほしい」と思うようです。この年齢層は、安いピアノよりも高額でも価値がある長続きするモノがほしいと考える傾向が強い。そうした人々へは、高い品質で、ブーニンなど著名なピアニストが使用しているファツィオリの製品を訴求できるのでは、と思っています。

 ―― ファツィオリが経営でもっとも重要にしているのは、品質ということでしょうか。

 ファツィオリ 品質です。品質が第一です。収益は生きるために必要なものです。しかし、当社の経営理念は、収益と品質の双方を重視しています。

 ―― 品質を保つ秘訣とは。

 ファツィオリ 改良し続けることです。今の品質に満足してはいけません。改良できることは必ずあるはずです。どんなに細かいことでも「改良できることはないか」と、職人と話し合うことを心がけています。当社の製品は、すべて職人の手作りです。35人ほどの職人が手作りで、年間に120台ほど、製造しています。

 当社の製品はどの国でも、米国の高級ピアノメーカー、スタインウェイの10分の1くらいの販売規模ではないでしょうか。ファツィオリでは、1台のピアノをつくるのに3年の歳月がかかります。手作りですから、多くの量をつくることはできないのです。

 我が社の職人はほとんどピアノを弾くことができるので、ものづくりとピアニストの視点を持っています。私もピアノを弾きます。私の実家はローマで家具工場を経営していました。私は6人兄弟の末っ子です。こうした私が家具ではなくピアノの製造を手がけるようになったのは、小さい頃にピアノを学ぶ、その素晴らしさに引かれたからです。

ピアニストの中村紘子氏が記したファツイオリの感想

ピアニストの中村紘子氏が記したファツィオリの感想

 私はピアノを学びながら家業を継ぐため、ローマ大学でエンジニアリングの学位を取得しました。しかし、イタリア北東部のピサロにあるロッシーニ音楽院でピアニストとしての学位を取得しています。

 ですから、ほかのピアノ会社を経営している人は、仕事が終わって家に帰ると「ピアノはもう見たくない」と思っている人もいるでしょうが、私は仕事が終わり家に帰っても、ピアノを弾きます。私も職人もピアノのオタク、愛好家なのです。趣味と仕事が同じなのは、幸せなことです。

 日本の総代理店であるピアノフォルティのアレック・ワイル社長もピアノを弾かれます。趣味と仕事が一致している点では、私と同じです。

 私は高い品質を築くうえで、ピアニストの視点を忘れてはならないと思っていますので、職人が作った製品を最終的に出荷するどうかを決める際には、最後に私が弾いて、品質をチェックします。こうして見ると、ファツィオリは、クルマで言えば、ランボルギーニのようなものでしょう(笑)。

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