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多額の援助よりも少額の事業育成

日本イノベーター大賞受賞者が語る「金融の歪み」(後編)

2008年11月10日(月)

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前編「銀行は中間層より上しか見ていない」はこちらから

―― 「世界で最も安く速く確実に送金できる」仕組みは、出稼ぎ移民だけでなく、他の人々にとっても便利なインフラとなります。

枋迫 はい。今、取り組んでいるのはアフリカの金融インフラの構築です。中南米は何だかんだといっても、660億ドルを受け取れる金融機関が存在します。これに対して、アフリカは、送金しようとしても受け取る側のインフラが未整備です。このため、一部の送金代行専門業者に頼らざるを得ず、出稼ぎ移民は15%という高い手数料で送金しています。この状況を何としても改善したい。

 そこで、アフリカ銀行やエチオピアの3銀行などと協力して、今、域外から資金を受け取るためのネットワークを構築しようとしています。米マイクロファイナンス・インターナショナル・コーポレーション(MFIC)の送金決済システムはインターネットベースで開発していますので、パソコンとインターネットさえある環境であれば接続できます。これが完成すれば、アフリカに資金が流れるようになります。

草の根経済を刺激する

―― そうすれば、経済発展につながる道が開けると。


地域に根ざした金融を目指す。イベントで交流を図る枋迫篤昌氏(中央左)

枋迫 途上国の貧困層にも銀行口座を持ってもらいたいと思うのです。現状は、母国の家族は送金を引き出すだけ。引き出したらそのまま、現金をベッドの下に隠している。現金とは役に立たないものです。送るだけで手数料は取られるし、金利も発生しない。もし銀行口座を持ってもらえば、運用ができるようになる。多額である必要はありません。そうしたお金を集めて、今以上にマイクロファイナンス(少額融資)を増やしていきたいと考えています。

 例えば、途上国の農業組合のようなところを通じて、タネを購入する資金を提供する。1件100ドルとして、1000人に配っても10万ドルです。MFICの送金決済システムには、滞留資金があります。これは調達コストがゼロなので低利で融資できる。当社はこれを途上国のマイクロファイナンス機関に融資しており、彼らが地域の事業主や起業を目指す方々に貸し付けています。こうして草の根経済を刺激するのが、本当のお金の有効な使い方だと思います。

―― 金銭を提供するだけの海外援助とは違う形ですね。

枋迫 国連がマイクロファイナンスを掲げたことで、多額の援助資金が途上国の政府に流れるようになりました。ただ、不思議なことですが、ODA(政府開発援助)の世界は金額の単位が大きくないと認めてもらえないようです(苦笑)。

 ところが、お金をもらった途上国は実は困っている。格付けもない状態で、カントリーリスクがあって、貸し倒れリスクのあるマイクロファイナンス機関に投資や融資するのは難しいからです。結局、マイクロファイナンスを手がけている大手銀行に資金が流れる。しかし、大手銀行にはマイクロファイナンスに対する需要はあまりなく、運営費や調査研究に費やされてしまう。

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「多額の援助よりも少額の事業育成」の著者

戸田 顕司

戸田 顕司(とだ・けんじ)

食ビジネス シニアリサーチャー

「日経パソコン」「日経ビジネス」の記者、「日経ビジネス」兼「日経ビジネスオンライン」「日経トップリーダー」の副編集長、「日経レストラン」編集長などを務め、2016年3月より現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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