• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

パナソニック、痛み覚悟の三洋買収で挽回狙う

読み違えた「創エネ」戦略

  • 鷺森 弘,小笠原 啓,大西 孝弘

バックナンバー

2008年11月17日(月)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

パナソニックが三洋電機の子会社化を表明、電池事業で攻勢をかける。
太陽電池などで誤算が続いた同社のエネルギー戦略は転換期を迎える。
一方、重複事業の改革は必至。両者は将来の痛みを覚悟する必要がある。

 11月7日夜、大阪市内のホテル。パナソニックの大坪文雄社長と、三洋電機の佐野精一郎社長はカメラのフラッシュをひっきりなしに浴びながら、固い握手を交わした。

 パナソニックの三洋買収の狙いは明白だ。三洋が持つ世界シェアトップのリチウムイオン電池と、世界7位の太陽電池事業を掌中に収めることだ。大坪社長は「両社の持つ環境・エネルギーの技術を合わせれば、世界の人々にとって望ましい事業展開ができる」と語り、今後、電機業界の雌雄を決すると言われる「創エネ」の分野で絶大な力を振るう決意を示した。

パナソニックの大坪文雄社長は、三洋の子会社化で、「大きな成功事例を作りたい」と語った

パナソニックの大坪文雄社長は、三洋の子会社化で、「大きな成功事例を作りたい」と語った

 交渉開始は9月。パナソニックからの提案だった。2005~06年にかけて、三洋のメーンバンクで、大株主にもなった三井住友銀行がパナソニックに救済を依頼したが、交渉までは至らなかった。しかし、今回は三井住友の打診に大坪社長自らが能動的に動いた。

 大坪社長は会見で「世界経済の厳しさは増し、さらなる成長のエンジンが必要だった」と語った。だが、背景を子細に見ていくと、パナソニックはエネルギー技術の戦略を早期に軌道修正する必要に迫られていた事情もある。

 その代表例が太陽電池だ。パナソニックは2001年、長年にわたって続けてきた太陽電池の研究開発を取りやめ、家庭用の燃料電池事業に集中する決断を下した。経営危機さなかのやむを得ない判断だったとはいえ、これが大きな誤算となった。

 ドイツが先導した電力買い取り制度により、欧州では太陽電池の需要が急拡大。全世界の太陽電池生産量は2年ごとに倍増する勢いで、2007年には市場規模が1兆円を超えた。

 2005年度に住宅用太陽電池の導入補助制度を打ち切った日本政府も、再び太陽電池普及の政策を掲げている。契機は今年6月、福田康夫前首相が掲げた「福田ビジョン」だ。

燃料電池シフトで遅れる

 福田前首相は「日本のお家芸だった太陽光発電の普及率で、世界一の座を奪還する」と表明。太陽電池の導入量を2020年までに現状の10倍、2030年には40倍にすることを目標に、2008年度の補正予算から補助制度を復活させた。資源エネルギー庁は来年度予算で238億円を概算要求し、太陽電池の普及を促す構えを明確にしている。

 一方、家庭用燃料電池は普及の兆しが見えづらい。パナソニックは2004年から実証実験用に出荷。来年度から量産を始め、「2015年度に世界で2000億円の事業にする」(榎坂純二常務)との計画を打ち出したが、国の補助金なしで独り立ちするには時間がかかる。

 だが、来年度の概算要求で、エネ庁が燃料電池導入支援補助金として求めているのは74億円。当面、太陽電池と燃料電池のどちらを普及させるのか、政府の姿勢は明らかだ。さらに新築住宅のオール電化普及率は上昇し、都市ガスを利用する燃料電池の需要拡大余地は狭まってきている。

コメント1

「時事深層」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック