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若手も恐々の新リストラ時代

春先までの「人手不足」が半年で反転

  • 白壁 達久,鈴木 裕美

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2008年11月26日(水)

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 「資金繰りが悪化して、とにかくキャッシュがない。V字回復するためにも、半数以上の人員を削減する。希望退職者を募る余裕はないし、退職金も出せない」

 今夏、東京証券取引所第1部に上場する、ある不動産開発会社でのこと。従業員は社内で最も広い会議室に集められ、総務部長からこうした趣旨の説明を受けた。

世代問わず事業・部署で整理

 同社は昨夏以降、物件の販売が思うように進まず、資金繰りに行き詰まった。今春以降は、ゼネコンや金融機関へ社員が返済や支払いの延期を依頼する電話をかける風景が日常茶飯事になった。

 「社長からは何の説明もなく、退職者の中には今年、入社したばかりの1年生もいた」と元社員は語る。リストラの発表から数日が経つと、社員は有給休暇を取って転職活動を始めた。活気のあった広いオフィスは2~3人の人影が動くだけになっていった。

 「10年後には社員を8倍以上に増やす」「海外進出の計画もある」

 会社が語るビジョンに夢を託し、希望を抱いて社会に飛び出したばかりの若手にも、リストラの波は容赦なく襲いかかった。

 同社の経営企画担当者は、「指名解雇ではない。残りたい人は残ってもらって結構、と伝えた。会社が生き残るためには仕方のないこと」と、淡々と語る。あくまで退社は本人の意思という主張だ。

 十分なキャリアを築けないまま中途半端に放り出された若手に対しては、転職希望先も冷ややかだ。20代の元社員は、面接でこれまでの経緯を説明すると、「結局、自分から逃げたんじゃないの」と切り捨てられ、採用には至らなかったこともあった。

 「会社の業績が悪くならなければ、ずっと働き続けたかったのに」

 忠誠心を持ち、ともに成長を支え続けてきた社員を、企業の存続のために切り捨てる──。生き残りをかけたなりふり構わぬ人事戦略が、若手のキャリアプランを狂わせている。

 今回のリストラの潮流は、1990年代後半から始まったそれとはまた種類が異なる。

 これまでは「40歳以上の希望退職」など一定の年齢を超えた、管理職を中心とした人員削減が多かった。しかし、今回は「将来の成長が見込まれる若手は対象外」という聖域はない。事業や部署といった縦割の区分による、世代を問わない人員整理が目立つ。

 上場企業やその関連会社を中心に、リストラ対象従業員の再就職支援事業を受託しているパソナキャリア(東京都千代田区)にも、連日のように若手を含めたリストラに関する相談が持ち込まれている。そのペースは過去最多という。

 「過去10年間の人員削減や派遣労働者などへの切り替えで、一定の余剰人員は削減できた。今回のリストラの目的は、事業の選択と集中による不要事業の一掃にある。そのため再就職支援依頼の規模は、かつての1000人単位から、最近は多くて100人単位と規模も小さくなっている」とパソナキャリアの渡辺尚社長は語る。

 企業の動きからすれば、リストラはまだ序章に過ぎない。「リストラが本格化するのは2009年に入ってから」と、再就職支援業界ではささやかれている。

 「第2新卒」市場も大幅に縮小している。

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