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無心であり続けるが、ヒットを生む

1600万部を売る恋愛小説家の素顔

  • 佐藤 慶子

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2008年12月6日(土)

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 世界39カ国、41言語に翻訳され、これまで出版した8冊の販売部数は1600万部。出す本、出す本、ことごくミリオンセラーを記録するフランス人作家の活躍ぶりを知る日本人は少ないだろう。

 マルク・レヴィ氏。1961年生まれは、バラク・オバマ次期米大統領と同じ。レヴィ氏の語り口はオバマ氏のような熱気に溢れるものではないが、本人の想像以上に人々の心をとらえてしまった点では、共通するものがある。

 人への関心、生への感謝――。17歳から7年間赤十字の仕事に従事した時、瀕死の状態の人間を多数見てきたレヴィ氏は、「命があればこそ、希望は必ずそこにある」という亡き祖母の言葉を心にとどめ続けている。

 大ヒットの背景には、人には宗教や人種の違いもなく、善も悪も乗り越えて生を分かち合うもの、というメッセージが作品の根底にあり、何かと殺伐とした現代に一抹の安堵をもたらしているからかもしれない。レヴィ氏に話を聞いた。


 ―― レヴィさんは1961年生まれで、バラク・オバマ次期米国大統領と同じ年に生まれていますが、オバマ氏に共感するところは何かありますか。

マルク・レヴィ(Marc Levy)氏

マルク・レヴィ(Marc Levy)氏
フランスの国民的人気作家。1961年パリ近郊ブーローニュ・ビランクール生まれ。91年友人と建築事務所設立。500以上の社屋の設計を手がける。98年作家活動を開始。99年ドリームワークスが作品の映画化権を獲得。ロンドンに移住し、執筆活動に専念する。2000年から毎年1作ずつ作品を発表、そのすべてがベストセラーに。最新刊『永遠の七日間』(PHP研究所)

(写真:菅野 勝男、以下同)

 マルク・レヴィ 米国人でない我々が、とやかく他国の大統領について口を出すことではないかもしれません。しかし、米国の大統領が世界中の市民に多大な影響を与えることも確かで、下手な人が選ばれてしまうのは困ります。

 今回、当選したオバマ氏には共感を持ちますし、彼がやろうとすることを応援していきたいです。これで米国人、特に米国の若者が変わっていくでしょう。

 この8年間、ブッシュ(大統領)とチェイニー(副大統領)の2人が米国という国を変えてしまった。世界はそれこそ戦争に巻き込まれ、金融破綻や企業倒産と、いろいろなものに巻き込まれてしまいました。

 ある意味では西洋対ほかの世界という対立、まるで西洋の人間が十字軍のようにあらゆるものを統一して、より優秀な存在であるように、我々が支配することによって君たちも良くなるみたいな、そういう行動がずっと行われていたわけです。

 オバマ次期大統領は、おそらく平和を唱えるでしょう。私としては、彼の登場で、米国は昔ながらの人間らしさというものを取り戻していくと感じています。

 ―― レヴィさんの本はそのブッシュの時代に、出す本、出す本、ベストセラーになってきました。何が読者に受け入れられていると思いますか。

 レヴィ それが分かったらどれほど良いかと思いますが、知らないままの方が良いのだろうとも思います。言えるのは、自分がとてもラッキーで、その幸運に値する人間であり続けるように努力していくこと、それ以外にありません。

『永遠の七日間』

永遠の七日間』(PHP研究所)

 自分の作品が読者の方々の数時間をお借りして、その方々が感情的に豊かになってその人生に入り込むことができる。そんな幸せな仕事をしているわけです。それに値する人間かと毎日、自分自身に尋ねているぐらいですが、受け入れるまでです。

 ── 運ももちろんあると思うのですが、作品を作るうえで意識している読者や時代背景などはあるのですか。

 レヴィ こうしたら読まれるというような意図のようなものはありません。画家が絵を描く時に、「この絵はこう人が見てくれるだろう」などとは考えていないでしょう。それと同じように、私も、作家として自分が見たもの感じたものを書いているのであって、誰が読むという意識は全くありません。

 ロンドンの書斎で書いている時に、私の作品を日本の方が読むなんて、想像さえできませんでした。それが結果的に、その機会を与えられることになったのは、とてもすばらしいことです。

コメント1件コメント/レビュー

日本ではまだそれほど知られていない作家のようだが、インタビューを読み、創作への取り組み方や生き方,考え方に感銘を受けました。ベストセラー作家になれる「法則」はないのかもしれませんが、本当に素晴しい作品は、ことさら読者を意識しなくても、自分に正直になることで作ることができるのかもしれないと感じました。(2008/12/08)

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日本ではまだそれほど知られていない作家のようだが、インタビューを読み、創作への取り組み方や生き方,考え方に感銘を受けました。ベストセラー作家になれる「法則」はないのかもしれませんが、本当に素晴しい作品は、ことさら読者を意識しなくても、自分に正直になることで作ることができるのかもしれないと感じました。(2008/12/08)

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