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日本一視察が多いスーパー、ハローデイの“感動経営”(上)

「ライバルが目を剥く衝撃の売り場」

2008年12月17日(水)

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 「日本一視察が多いスーパー」。小売業界でそう囁かれる企業が福岡県にある。それはハローデイ。売上高は530億円(2008年3月期)と中堅規模だが、16期連続で増収増益を続ける隠れた優良企業だ。売り場のコンセプトは「アミューズメント・フードホール」。店内に足を踏み入れると、趣向を凝らしたディスプレーやアイデア満載の商品が客を迎える。魅惑の売り場で顧客の心をつかむハローデイの秘密に迫った。

*本文中の写真はクリックすると拡大表示されます。

 目の前には不思議な空間が広がっていた。

 福岡県行橋(ゆくはし)市にあるハローデイのコスタ行橋店。外見上はロードサイドに建つ普通の食品スーパーに過ぎないが、店の中に一歩足を踏み入れるとメルヘンチックな光景に度肝を抜かれる。

 まず入り口を入ってすぐのところにある青果売り場。棚の上に目をやると、岩山を模した巨大なディスプレーが飾られていた。山には愛らしいリスのぬいぐるみがわらわらと戯れるように置かれている。リスは行橋店のキャラクター、ハロンくん。ハロンくんのそばには、高さが1メートル以上はあろうかという巨大キノコも鎮座していた。

店内はまるで「アミューズメントパーク」

 その隣の鮮魚売り場に目をやると、海の底をイメージさせる青一色の壁に巨大なタコやエビがへばりついている。精肉売り場の上では、巨大な肉の塊が火の上で回転していたり、ハロンくんが巨大なナイフで肉を切っていたり、動くディスプレーが客を迎えていた。

 このほかにも、洞窟の中を流れる滝、巨木を模した柱、グルグルと自動回転している牛乳、天井を回る飛行機(なぜかペッパーソースのビンに羽根がついたもの)――など、「これでもか」というほど可愛らしいディスプレーが並ぶ。食品スーパーらしからぬその光景。まるでアミューズメントパークである。

コスタ行橋店のメルヘンチックなディスプレーコスタ行橋店のメルヘンチックなディスプレー

コスタ行橋店はメルヘンチックなディスプレーで飾り付けられている(写真:高口裕次郎、以下同)

 店内のディスプレーはコスタ行橋店に限った話ではない。多くの店舗が独自のコンセプトで店を飾り付けている。

姪浜店の巨大なクジラ

姪浜店のシンボルは巨大なクジラ

 福岡市の姪浜(めいのはま)店では、ひときわ大きなクジラが天井に飾られている。漁師町だった姪浜。周囲に広がる海をイメージしてクジラのディスプレーを考えたという。門司港店は門司港のレトロな雰囲気を醸し出すために「アール・デコ」を意識した作りに、太宰府市にある大佐野店は歴史の街、太宰府をイメージした「まほろばの里」がコンセプトになっている。

 冒頭で紹介したコスタ行橋店のコンセプトは「フードアイランド」。鮮魚売り場は「海底工場」、精肉売り場は「洞窟内の秘密のキッチン」、牛乳や豆腐などのデイリーは「洞窟の中の大きな滝」、ベーカリーは「森の入り口のパン工場」という設定。なるほど、精肉売り場でハロンくんが肉の塊を切っていたのは「秘密のキッチン」だったからなのか。

 ハローデイの売り場は「アミューズメント・フードホール」。“アミューズメント”という言葉が示しているように、趣向を凝らしたディスプレーで店内を飾り付けるのは、楽しいディスプレーで客をもてなし、買い物を楽しんでもらうため。買い物で感動してもらうためである。

直近4年間の業績推移

(※直近4年間の業績推移)

 福岡県を中心に35店舗を展開するハローデイ。売上高は約530億円、経常利益15億円の中堅地場スーパーである(2008年3月期)。会社設立は50年前の1958年。バブル崩壊後、経営危機に陥ったが、その後は16期連続で増収増益を続けている。

 このハローデイ、日本一視察が多いスーパーとして業界では有名である。「生活者の視点に立った売り場作りを参考にしたい、という同業は数多い」(大手食品卸の幹部)。では、ライバル企業はハローデイの何を見に来るのだろうか。

 1つは、商品の“魅せ方”である。これまで述べてきたように、壁や棚、天井のディスプレーは客を楽しませるための仕掛け。だがそれだけではない。売り場を子細に見ると、個々の商品を魅力的に見せる細やかな工夫が施されているのだ。

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「日本一視察が多いスーパー、ハローデイの“感動経営”(上)」の著者

篠原 匡

篠原 匡(しのはら・ただし)

ニューヨーク支局長

日経ビジネス記者、日経ビジネスクロスメディア編集長を経て2015年1月からニューヨーク支局長。建設・不動産、地域モノ、人物ルポなどが得意分野。趣味は家庭菜園と競艇、出張。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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