• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

日本メーカーも出口見えず

ビッグスリーの苦境は対岸の火事ではない

  • 細田 孝宏,江村 英哲

バックナンバー

2008年12月20日(土)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

世界規模で進む販売減少を前に、日本のメーカーは国内工場の減産を急ぐ。
雇用環境は急変。解雇を不服として訴訟を起こす非正規従業員も現れた。
トヨタは業績の再下方修正がささやかれ、自動車産業の危機感は募る。

 「切られました…」

 やっと絞り出した声には悔しさがにじんでいた。いすゞ自動車の栃木工場(栃木県大平町)で、期間工として働く松本浩利氏(46歳)は「1枚の紙切れで解雇を言い渡され、ショックのあまり怒りすら感じなかった」と話す。本来の雇用契約期間は2009年4月7日まで。満了まで4カ月を残した非正規従業員に、いすゞは解雇を突きつけた。

 11月中旬、いすゞはエンジンを製造する栃木工場と、トラックを製造する藤沢工場(神奈川県藤沢市)で働く1400人の非正規従業員に対して、12月 26日付での解雇を通告した。理由は、急激な需要の冷え込みによる大幅な生産計画の見直し。その一言で、多くの人々が職を失った。

 こうした会社側の対応に反発した松本氏は、12月4日、宇都宮地裁栃木支部に対して、解雇予告の効力停止などを求める仮処分を申請した。「いすゞには『契約を守って来年4月の契約満了まで働かせてくれ』と言っているだけだ」と松本氏は訴える。

10月から風向き変わる

 日本の自動車産業にとって、ビッグスリーの危機は対岸の火事ではない。米国を震源とする金融危機の連鎖は、津波のように日本にも押し寄せ、国内の雇用を襲っている。

 環境の激変ぶりは松本氏の話からもうかがえる。

 いすゞ栃木工場では派遣社員が約220人、期間工が約160人働いていた。松本氏はフォークリフトでエンジン部品を運ぶ担当だった。8月までは休日出勤は当たり前。平日勤務でも残業が続き、「たまには定時で帰りたいねぇ」と休憩室でぼやくのが仕事仲間の口癖だったという。

 風向きが変わったのは10月頃。残業や休日出勤がなくなった。変調は感じていたが、職場内にはまだ楽観的なムードが漂っていた。周囲は6カ月間勤務した期間工に支給される42万円の満期慰労金を楽しみに働いていたという。しかし、その和やかな雰囲気は暗転する。

 11月17日、月曜日。出勤した松本氏はライン長にいつも利用する休憩室に呼ばれた。テーブルを挟んで座っていた課長は開口一番、「減産になるので、12月26日をもって解雇します」と話し、通告書を手渡した。

 解雇理由として書いてあったのは「会社業務の都合により雇用の必要がなくなったとき」という解雇について定めた就業規則の条文。「この解雇は違法じゃないのか」。松本氏は食い下がったが、「就業規則だから」と取りつく島もなかった。

 こんな憤りを感じているのは、いすゞに解雇された非正規従業員だけではない。働き手をモノとして扱うかのような姿勢を取った企業に対し、各地で怒りの声が上がり始めた。

コメント4件コメント/レビュー

作った製品を誰に買って貰うつもりなのか?その買ってくれる人が、どうやって収入を得ていると考えているのか?同じ製品を、同じ人がいくつも買うのか?これらは各企業の経営者や株主達に聞きたい事なのですが、安易に人員削減を要求する株主や海外の政治家達。しかし、労働者とその家族というのは、消費者なのではないのですかね?つまり、人件費というのは、自分達が収入を得る為の投資であるわけです。そして、3つ目があります。労働者を省人化で絞り込んだとして、多少、高めの物は売れるかもしれませんが、数は売れなくなります。数が売れないという事は、作る必要が無くなる、つまり、労働力が不要になるわけです。更に市場を縮小する事には、ならないでしょうか?収益性の改善、と言いながら、世界中で実際にやっている事は、道理で考えると全くの真逆であると感じるのです。このままで大丈夫なのでしょうかね?鹿を追うもの山を見ず。金は天下の回り物。最近の状況は、この言葉がよく似合います。(2008/12/23)

「時事深層」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

作った製品を誰に買って貰うつもりなのか?その買ってくれる人が、どうやって収入を得ていると考えているのか?同じ製品を、同じ人がいくつも買うのか?これらは各企業の経営者や株主達に聞きたい事なのですが、安易に人員削減を要求する株主や海外の政治家達。しかし、労働者とその家族というのは、消費者なのではないのですかね?つまり、人件費というのは、自分達が収入を得る為の投資であるわけです。そして、3つ目があります。労働者を省人化で絞り込んだとして、多少、高めの物は売れるかもしれませんが、数は売れなくなります。数が売れないという事は、作る必要が無くなる、つまり、労働力が不要になるわけです。更に市場を縮小する事には、ならないでしょうか?収益性の改善、と言いながら、世界中で実際にやっている事は、道理で考えると全くの真逆であると感じるのです。このままで大丈夫なのでしょうかね?鹿を追うもの山を見ず。金は天下の回り物。最近の状況は、この言葉がよく似合います。(2008/12/23)

「世界的に整理統合して財務、技術共に強固なメーカーだけを生き残らせる必要」とは、1964年の特定産業振興臨時措置法案みたいですね。幸い本田宗一郎他の猛反対で廃案になりましたが。通産省の思惑通り可決されていれば、四輪メーカーとしてのホンダはありません。TT(2008/12/22)

日本の自動車メーカーは今回の不況を契機に生産活動拠点を根本的に見直す時期に来ていると思う。日本国内で生産するのは日本国内で需要がある車種と台数、日本で生産したほうが望ましい車種(特許の問題、日本人の勤勉さを活かす等)例えばハイブリッド車等に絞り込む。海外に輸出する依存率が高いから今回のような不況を招く。日本を除くアジアに必要な台数はアジアで生産するにふさわしい国で、ヨーロッパで必要な車種と台数はヨーロッパで生産するにふさわしい国で等、需要地での生産拠点を作る。円高に左右されない体質に構造変換する時期にきていると思う。なお海外で得た利益を日本の本社にに持ち込んでも税金を掛けないよう政府は考慮すべきと考える。(2008/12/22)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

夢の実現にあたっては強く「念ずる」。そうした心構えを支えにビジネスの世界の荒波を渡ってきました。

後藤 忠治 セントラルスポーツ会長