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序章 金融危機の嵐、議員を襲う

  • 出井 康博

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2008年12月24日(水)

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 日本中を仰天させる出来事に対応しようとする矢先に、世界中を脅かす“事件”の発生で、歯車が狂い始めた。

 9月1日、首相(当時)の福田康夫が突然の辞任表明をした。自民党は後任総裁に、麻生太郎を選ぶ。そのまま順当にいけば、首班指名後、10月解散、11月総選挙、と誰もが予想していた。

 そこに突然押し寄せた米国の大手投資銀行、リーマン・ブラザーズの破綻。この衝撃に世界中の金融市場が混乱し、各国の政策当局は緊急の対応を迫られる状況に余儀なくされた。

 これ幸い?と、麻生は総選挙の引き延ばし策に出る。10月解散を念頭に準備を整えていた候補者たちは、懐が痛み始めた。そこに金融危機から派生した経済危機が襲う。民主党現職代議士・Aもその例外ではない。唯一の企業献金元だった投資関連会社Xからの支援が、業績悪化によって打ち切られる可能性が強いのだ。

年間500万円以上の献金がゼロにも

  X社からは過去数年間にわたって年500万円以上の献金があった。

 「それが恐らく来年はゼロになってしまうでしょう。もちろん痛いことですが、カネがなければ、できる範囲でやっていくしかありません」
 
 企業による政治家個人への献金は禁止されているが、政党支部を通せば可能だ。X社からの献金も、Aが代表を務める民主党支部に対してなされてきた。

 そうした形での献金にしろ、また政治家のパーティー券の購入などにしろ、企業が自らへの便宜や利益を目論むのが普通である。しかしX社の場合、大学の後輩を通じて知り合った創業者がAと意気投合し、「カネは出しても、口は出さない」関係にあった。

 「頼みごとをされたことなど一度たりともありません。社内でも当初から『野党議員に献金などしてどうする』という反対が強かったようですが、創業者が私を見込んで応援してくれていた。今の財界人としては珍しい、まるで明治時代の素封家のような人でした」

 しかし、金融危機によってX社の経営は急速に悪化し、創業者は先日、その責任を取って会社を去った。Aとしても、もはやX社からの支援を期待できない状況だ。

当選2回、40代半ば

 Aは当選2回、年齢は40代半ばになる。自民党の幹部クラスには、年に何回も資金集めのパーティーを開催し、億単位で収入を得ている議員もいる。だが、Aのような野党の若手議員にとっては縁遠い話だ。

 Aも過去2年間、パーティーは開いていない。パーティー券の値段は通常1万円以上で、決して安くはない。下手をすれば、参加者が集まらず赤字になってしまうこともある。

 X社という支援先を失った今、Aの政治資金は民主党から現職議員に支給される年1000万円の交付金が頼りだ。他には後援会に入る個人からの寄付が年数十万円程度に過ぎない。

 政治家であれば、多くの活動資金があるに越したことはない。とはいえ、怪しい支援者からのカネを受け取れば、政治生命が左右されかねない。先日も民主党の同僚議員が、マルチ商法で問題となった団体から資金提供を受けていることが発覚し、離党に追い込まれたばかりだ。

 「残念ながら日本では寄付文化が定着していません。米国のように、個人から少額の寄付を広く募るようなことは難しい。そのため政治家は、企業などから大口の献金を求めてしまうのです。

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