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やっぱりおかしいビッグスリー救済

「経済の論理」に照らすと見えてくる4つの問題点とは?

2008年12月25日(木)

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 米国のビッグスリー救済問題については、とりあえずゼネラル・モーターズ(GM)とクライスラーに公的資金を活用したつなぎ融資を行うことになりました。以下では、経済的な論理に沿って考えた時、こうしたビッグスリー救済問題がどう評価されるかを考えてみます。結論は、経済の論理からは米政府の救済措置には多くの問題があるということです。

 最初に断っておきますが、私は、米国経済が極めて困難な局面にあり、政治的に見てもいずれは何らかの救済措置が取られるであろうと思っていました。しかし「救済されるかどうかを予測すること」と「救済が経済的に正しい措置であるかを考える」ことは別のことです。また、救済の必要性を主張する場合も、「経済論理の上からも正しい措置だから救済すべきだ」と主張するのと、「経済論理の上からは誤りだが、臨時異例の措置としてやむを得ない」と主張するのでは天と地ほどの違いがあると思います。

 というわけで、以下では思い切って経済の論理だけに基づいてこの問題を考えてみようと思います。私は、経済の論理に照らしてみると、ビッグスリーの救済には次のような問題があると思います。

自由主義経済の原則に反する

 第1に、何と言っても自由主義経済の原則に反しています。基本的に企業の経済活動は自由であり、いくら儲けても構いません。むしろその儲けこそが、その企業が市場のニーズに合った財・サービスを提供しているという証拠だと考えられます。資源配分は、政府が考えるよりも、利潤というインセンティブに導かれた民間企業の自由な活動に委ねた方がよいというのが基本です。

 その代わり自由の代償としてリスクもまた企業が負うことになり、利潤を上げられない企業は市場から退出することになります。発展分野に元気な企業が参入してくることが重要であるのと同じように、退出すべき企業が退出することもまた資源配分の効率性をもたらすためには重要なのです。

 以上のような基本原則に照らして考えれば、政府が放置しておくと市場から退出することになる特定の企業を救済することは誤りだということになります。どの企業を救済し、どの企業を救済しないかは、政府よりも市場が決めるべきなのです。

 いったん「大きな企業は倒産しそうになると政府が救済してくれる」という考えが生まれてしまうと、リスクに寛容になり、そうでなければ行わなかったような経営方針が採用されることとなり(いわゆるモラルハザードと呼ばれる現象です)、効率的な資源配分が阻害されてしまいます。

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「やっぱりおかしいビッグスリー救済」の著者

小峰 隆夫

小峰 隆夫(こみね・たかお)

法政大学大学院政策創造研究科教授

日本経済研究センター理事・研究顧問。1947年生まれ。69年東京大学経済学部卒業、同年経済企画庁入庁。2003年から同大学に移り、08年4月から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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