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赤字転落のトヨタ、「大政奉還」は復活の切り札か

「失敗体験のなさ」に危うさ指摘も

2008年12月24日(水)

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渡辺捷昭トヨタ自動車社長

渡辺捷昭トヨタ自動車社長

©AFP/Yoshikazu TSUNO

 トヨタ自動車は復活できるのか。

 12月22日。トヨタは2009年3月期の業績予想を下方修正した。連結営業損益は、2兆2700億円と過去最高の黒字となった2008年3月期から一転、1500億円の赤字となる。その差額、2兆4200億円。世界的な金融混乱の直撃を受けたとはいえ、この急落は誰も予測できなかった事態だろう。

 同社は11月6日の中間決算発表時に期初見通しを下方修正し、営業利益を1兆円も減額。翌日の株式市場では「トヨタショック」と呼ばれた。それからわずか1カ月半での再修正は、1983年に連結決算を開示するようになって以降、初の営業赤字転落という屈辱的な内容になった。

 「お時間が参りましたので、このあたりで会見を終了させていただきます」

 業績修正を発表したのは、同社が毎年12月下旬に翌年の販売・生産計画などを明らかにする年末会見の席上だった。例年は名古屋市内のホテルで開いていたが、今年の場所は名古屋駅前にあるトヨタ名古屋オフィスの25階会議室。経費節約のためでもある。硬い表情での受け答えに終始した会見を予定通り1時間で終えると、出席した渡辺捷昭社長および5人の副社長は、報道陣の問いかけを背にそそくさと控え室に消えた。その姿からは世界最強の製造業と称された余裕や自信は感じられなかった。

章男社長誕生なら14年ぶりの創業家トップ


豊田章男トヨタ自動車副社長(写真:上野 英和)

 前例のない危機をどう乗り切るか。翌23日、その新体制作りが報じられた。来春、創業家嫡男である豊田章男副社長(52歳)の社長昇格が内定したと朝日新聞が報じたのだ。これについてトヨタは「何も決まっていない」(広報部)とコメントしているが、2009年6月で就任4年目を迎える渡辺社長の交代はほぼ確実と見られている。その後継として真っ先に名前が挙がってきたのは、2005年の渡辺社長誕生と同時に副社長となった章男氏である。

 豊田自動織機を興した豊田佐吉氏が曾祖父、自動車事業を始めた豊田喜一郎氏は祖父、そして、喜一郎氏の長男で6代目社長である豊田章一郎氏(現取締役名誉会長。社長在任は1982~92年)を父に持つ。

 1984年にトヨタに入社し、生産管理や国内営業を経験した後、米カリフォルニア州にある米ゼネラル・モーターズとの合弁工場、NUMMIで副社長を務めた。その後、2000年に44歳の若さで取締役に就任。「GAZOO」や「G-BOOK」などのトヨタが力を入れた情報事業、中国やアジア事業を担当した。さらに世界戦略車として推進した「IMV」の立ち上げを統括したほか、調達部門のトップも歴任している。直近では2007年から担当する国内営業に加え、現在は海外営業も兼務するなど、幅広い分野を経験してきた。

 取締役に就任して以降も、異例のスピードで昇進を続ける章男氏に対して「大政奉還はいつか」との見方はずっとついて回ってきた。クルマ好きとして知られ、排気量5000cc、423馬力という大出力エンジンを搭載するスポーツカー「レクサスIS-F」の開発にも自らかかわった。一方、調達部門を担当すれば各地の部品メーカーに自ら足を運び、営業担当になれば販社との関係強化に力を注ぐ。「偉ぶったところもなく気さく」というのが人物評だ。

コメント12件コメント/レビュー

 失敗体験の不足との指摘ですが、G-BOOKを社内的に「失敗」と捉えていないとしたら、それは致命的に危険な状況だと思います。 自動車と携帯電話を連携する「テレマティクス」を過大評価していたのかも知れませんが、KDDIの大株主という非常に有利な条件にも関わらず、ホンダやいすゞに全く歯が立たない状況で、すでにあきらめモードに見えます。あのトヨタが、G-BOOKを失敗と考えていないとは到底思えないのですが。(2009/01/01)

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「赤字転落のトヨタ、「大政奉還」は復活の切り札か」の著者

細田 孝宏

細田 孝宏(ほそだ・たかひろ)

日経ビジネス 副編集長

1995年早稲田大学卒業。日経BPに入社し、日経ビジネス編集に配属される。日経アーキテクチュア編集、日経ビジネス・ニューヨーク支局長などを経て現職

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

 失敗体験の不足との指摘ですが、G-BOOKを社内的に「失敗」と捉えていないとしたら、それは致命的に危険な状況だと思います。 自動車と携帯電話を連携する「テレマティクス」を過大評価していたのかも知れませんが、KDDIの大株主という非常に有利な条件にも関わらず、ホンダやいすゞに全く歯が立たない状況で、すでにあきらめモードに見えます。あのトヨタが、G-BOOKを失敗と考えていないとは到底思えないのですが。(2009/01/01)

勤務医さんのコメントの趣旨は分かりましたが、1点考え方にどうにも賛成できないところがあります。それは、「要はどの業界を優遇し、どの業界を冷遇するかで状況はいくらでもかわる」という記載でして、ここはまさに自由競争の存在しない医療界の既成概念にとらわれているのではないでしょうか。現在の日本の自動車業界がこの10年、世界中で大成功していたのは、決して日本が国策で自動車業界を「優遇」したことは原因ではないでしょう。もはや高度経済成長の時代ではないのですから、国や社会がどの産業を育成しようと決めて、本当にそのとおりに産業が発展するならば誰も苦労しません…世界中で絶賛されていたトヨタをはじめとする日本の自動車業界の自助努力を優遇策と言い切ってしまったところは、私にはやはり理解できませんでした。そもそも、自分たちの業界を優遇せよという物言いはいかがでしょうか。確かに、日本の医療・介護の業界は様々な要因により崩壊しつつあるのかもしれませんし、何らかの手当てが必要なのでしょう。ただ、世間一般の人が「医療は負の財産であり税金で補填するべきものという既成観念にとらわれている」のは、現状がそうなのですし、むしろ当たり前ですよね。そうではないというのであれば、業界の専門家の方がうまく世間に道筋を示す必要があるのではないでしょうか?その道筋が「医療業界優遇策により、病院には病床あたり今の10倍であるアメリカ並みの人員が配置」ということであれば、逆に、大多数の人は既成概念をより強くもつことでしょう。ちなみに、私は別にトヨタという会社も車も好きではありませんが(一度も買ったことも買おうとしたこともない)、トヨタをはじめとする自動車産業の繁栄が日本にもたらした利益の巨大さはよく理解しております…(2008/12/27)

私自身、地方のオーナー企業で事業部の責任者をしていることもあり、創業家の力をまざまざと見ています。表現は悪いですが末端の従業員から見ると、そういった世襲へのやっかみは確かに存在しますが、直の部下である私からすると、正直なところその輝きは組織に確実なエネルギーを与えています。コメントには「グローバル企業だからあまり関係ない」といったコメントが有りましたが、組織というモノはトップの考え方や人望によって大きく動くモノです。危機に慣れていない社風だからこそ、カリスマを持ち合わせた創業家のリーダーには、確実な意味が存在しています。(2008/12/27)

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