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2009年混沌の先
オバマ政権誕生後のアフガン外交は

マイケル・グリーン米戦略国際問題研究所上級顧問・日本部長

  • 大野 和基

  • 日経ビジネス オンライン編集部

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2009年1月6日(火)

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 2003年3月に米国が主体になった多国籍軍がイラク侵攻を開始してから6年近くが経とうとしている。このイラク戦争は2カ月も経たないうちに「戦闘終結宣言」が出されたが、その後の占領政策はつまずき、武装勢力の抗争は激化、米軍の死者は4000~5000人を数える。

 こうした中、今年1月に誕生するバラク・オバマ新大統領は昨年、「16カ月以内にイラクから全面撤退する」方針を打ち出し、イラクからテロの温床とされているアフガニスタンへ比重を移す構えである。

 そのアフガン本土では、すでにNATO(北大西洋条約機構)主体になり41カ国で構成されるISAF(国際治安支援部隊)が治安維持のために活動している。ISAFは2001年12月の国連安全保障理事会決議1386に基づいて設置された国際舞台で、アフガン国内の治安維持を通じて同国政府を支援しているが、我が国は、憲法上の制約があるしてISAFに参加していない。

 2008年12月23日のロイター電によれば、戦況が困難になってきたアフガニスタンへの増派を米軍のトップが発表、その週末に倍近くにするとしたが、来夏までには最高3万人の増派があるという。

 こうした米軍の路線転換で日本はこれまで以上の貢献を求められるという観測が強まっている。オバマ新政権は日本に何を期待するのか。2001年から2005年までNSC(国家安全保障会議)のアジア担当を務め、現在はCSIS(米戦略国際問題研究所)の上級顧問・日本部長などを務めるマイケル・グリーン氏に、その方向性を聞いてみた。

 マイケル・グリーン氏は米軍の3万人の増派についてこう語る。

 「増派は同盟国、NATO軍、米国がイスラム原理主義勢力であるタリバンの脅威に対して攻撃をさらに増すということである。軍事上の勝利が目的ではなく、あくまでも戦略的なものだ。タリバン分子と交渉を始め、彼らを解体させる。それによってアフガンに安定をもたらすための実行可能な解決策を見つけていくのだ」


マイケル・グリーンCSIS(米戦略国際問題研究所)上級顧問・日本部長

マイケル・グリーンCSIS(米戦略国際問題研究所)上級顧問・日本部長
元米大統領補佐官。現在、CSIS上級顧問ほか、米ミャンマー問題担当特使、ジョージアタウン大学准教授などを兼務する。

 「そうした中で日本が貢献できることは、経済面での再建と後方支援(logistical support)である。日本はすでにアフガニスタンの周囲に環状道路を建設するのにかなりの貢献をしているのは確かだ。一方、後方支援については今以上のものが求められるだろう」

 「後方支援はヘリコプター、医療面の援助、建設、地雷除去、アフガン警察の訓練などがあるが、オバマ新政権になれば、日本は実際に何で貢献できるか真剣に考えなければならない」

 日本はISAF(国際治安支援部隊)には参加していないが、2002年以降20億ドルの復興支援を表明、また人道復興支援について、日本はアフガンに対して2001年9月以降計14億5000万ドルの支援を実施し、元兵士らの武装解除や社会復帰の支援、非合法武装集団の解体、地雷除去や麻薬対策に取り組んできた。

米国は昨年後半から、具体的な後方支援を打診

 さらに日本の海上自衛隊は、多国籍軍がインド洋で行っているパトロール活動を支援、海上阻止活動に従事する各国の艦船へ給油を続けてきた。アフガンからソマリアに麻薬、ソマリアからアフガンには武器が密輸されている。多国籍軍のパトロール活動は、この密輸のために交通路の遮断が最大の目的だ。

 日本はこうした貢献を提供してきたが、米国は2008年10月に日本に対して、アフガンの復興支援活動として自衛隊ヘリコプターの派遣などを打診していた。具体的にはCH47輸送ヘリによるアフガン国内の輸送と、C130輸送機による海外からアフガンの拠点空港への輸送、地方復興チームへの人的貢献である。

 こうした動きに、グリーン氏は「お金だけの貢献では足りない」と強調しながら、「日本が貢献できるのは3つの分野と言う。それは経済、外交そして人的資源の提供だ。最後の人的資源とは、必ずしも自衛隊派遣を意味するのではなく、目に見える形の貢献もしくは汗を流していることを示すことが必要。もっともインパクトがあるのは、この3つのすべての分野で貢献することだ」と強調する。

 インド洋での給油活動の継続などは重要で、日本政府の存在感、自衛隊やNGOが訓練や再建で貢献すべく、「当地にいるという存在感はオバマ政権にだけではなく、その地域における日本の存在を目立たせることになる」とグリーン氏は示唆する。

 こうした目に見える貢献の拡大に対して、様々な形で米国は期待を表明している。例えば、シーファー駐日大使は、オバマが次期大統領に選出された2008年11月に都内の記者会見で、対日政策についてこう述べた。

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