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第2話 新年会の出席予定は約100件

  • 出井 康博

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2009年1月9日(金)

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新年は地元と東京の往復が毎日のように続く

新年は地元と東京の往復が毎日のように続く

 「ありがとうございます」
 「失礼します」
 「よろしくお願いします」

 年が明けた今月4日、民主党代議士・Aが、大きな声で挨拶を繰り返しながら会場から出てきた。

 ドアの向こうからは、地元市会議員の新年会に集まった30人近い後援者たちの拍手が聞こえる。それに応えるため、Aはドアの外で立ち止まり、会場に向かって深々と頭を下げた。

 そして両手で丁寧にドアを閉めると、我慢していたトイレへと一目散に走る。その後、やっと車に戻ると、終わったばかりのビンゴゲームで勝ち取った煎餅の小箱を秘書に手渡し、Aはフーッと息をついた。

 「いやあ、今日は朝から何も食べていなかったもので、少しお酒が回ってしまいました」。勧められたビールをかなり飲んだのだろう。顔は紅潮し、車中にはアルコールの臭いが漂った。

 「でも、こうした集まりに誘っていただけるだけで、ありがたいことなんです」。噛みしめるように、Aは言う。地盤、看板のない地で初めて選挙に出た頃は、当然だがAのために人が集まることなどはなかった。

「あいつは、党の金を使って飲み歩いている」

 ちょうど10年前の1999年、Aはこの選挙区で衆院議員候補として活動を始めた。初めて挑んだ翌2000年の総選挙では、与党の現職候補に敗れている。

 「あの頃は、集会に呼んでもらえることもなかった。知り合いもいないのに自分で押し掛けていっては、『お前は誰だ?』と迷惑そうな顔をされたこともあります」

 当初は、地元選出の地方議員との関係構築にも頭を悩ませた。長く議席を維持しているベテラン議員にとって、政治家としての経験もなく、いきなり落下傘候補で国政に名乗りを上げた若いAのような存在は、面白いはずがない。

 「あいつは、党の金を使って飲み歩いている」

 身に覚えのない噂を、地元の議員から流されたこともあった。民主党の衆院公認候補には、党本部から当時で毎月50万円の活動資金が出ていた。その金を私用に使っているというのだ。

 Aは当時も今も、党から支給された資金を使う際にはすべて領収書を取っている。噂を黙って聞き流していると、しばらくして問題の議員から自宅まで来るよう呼び出しがあった。何かと思いつつ所用で10分ばかり遅れて到着すると、居留守を使って応答すらしてもらえない。そんなひどい扱いを受けたことも、一度ならずあった。

通常国会で上京も、その日に地元にトンボ返り

 そんな時期を経ながら迎えた2009年。時刻は午後6時になろうとしている。新年会は、これから2次会に移ってさらに盛り上がるのだろう。だが、Aは今晩中に新幹線で東京へと戻らなければならない。明日の5日朝には通常国会が召集されるのだ。

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