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2009年混沌の先
バブルはひらめき、脳科学で読み解く経済危機

脳科学者・茂木 健一郎氏

  • 佐藤 慶子

  • 日経ビジネス オンライン編集部

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2009年1月7日(水)

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 2009年は、米国発住宅バブル崩壊の後始末に、いやが上にも追われる年となる。そもそも人類はこれまで何度もバブル崩壊の痛手を被っているのに、その過ちを繰り返すのか。

 そこには人間の行動をつかさどるうえで核となる脳そのものが欲望しているからかもしれない。脳科学者の茂木健一郎氏は、脳の立場から見たバブルは「ひらめき」と話す。

 脳科学からバブルをとらえ直し、「底」と言われる現状を少しでも前向きに生き抜くヒントを探るため、茂木氏に話を聞いた。


茂木健一郎(もぎけんいちろう)氏

茂木健一郎(もぎ・けんいちろう)氏
脳科学者。1962年東京生まれ。東京大学理学部、法学部卒業後、東京大学大学院理学系研究科物理学専攻博士課程修了。理学博士。理化学研究所、英ケンブリッジ大学を経て現在は、ソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャー、東京工業大学大学院連携教授(脳科学、認知科学)、東京芸術大学非常勤講師(美術解剖学)など務める。主な著書に『脳と仮想』(新潮社)、『脳とクオリア』(日経サイエンス社)、『脳と創造性』(PHP研究所)、『脳内現象』(NHK出版)、『脳を活かす仕事術』(PHP研究所)、『「脳」整理法』(ちくま新書)などがある
(写真:菅野 勝男、以下同)

 ―― 倒産や雇用削減など暗いニュースが続いています。欲望のままに株を買ったり投資をしたり、この結果が今の世界だと思うのですが、茂木さんがよくおっしゃる孔子の「欲するものに随って、しかし、則を越えず」という態度を皆が取っていれば、こういうことは起こらなかったのでしょうか。

 茂木 健一郎氏 脳科学をやっている立場からすると、ネットワーク構造で結びつけられた社会において、バブルの発生と崩壊は避けられないのです。

 脳の中にもバブルがあって、一番時間的に短いバブルは0.1秒のひらめきです。これはバブルと非常に似たようなグラフが描き出されるのです。神経細胞の活動が「ビュン」と上がって下がる。

 バブルのあの価格変動と全く同じです。その0.1秒の間だけ、神経細胞の活動が急激に高まって低下するのですね。そのことによってひらめきが起こり、新しい学習が生じます。

パラダイムシフトするような学習は、ひらめきが起こす

 細々としたものは別として、ドーンとパラダイムシフトするような学習は、ひらめきで起こしています。このように、ひらめきの1つは、瞬間的に完了する学習のことを指します。他にも例えばマイブームみたいなのがそうですね。ある時だけ感情的に非常に盛り上がって、やがて下がっていく。恋愛などもそうです。

 何かに興味を持って、その興味が下がるということ。おそらく小さなものも含めると、1日のうちに100回とか、バブルの発生と崩壊は起こっています。ですから、年間だと3万とか、私は46歳ですから、100万回以上のバブルを経験したことになるのです。

 ―― 人間はひらめきを、意識して起こしているのでしょうか。

 茂木 我々は、なぜひらめくのかを研究していますが、まだ尻尾をつかめていないというのが正直なところです。ただ、ひらめきは、意識して起こせないことまでは、分かっています。

 ひらめきを研究するうえで重要な研究材料になっているのが、私が日本テレビの番組「世界一受けたい授業」の中で「感動!アハ体験?」として紹介している問題があります。例えばある図柄でそれが何を表現しているのかを探すものや、時間が経つと一部分が変化していく写真でどこが変化したのか当てるものなどがあります。

 最初はなかなか分からないのが、ある瞬間に答えが分かる、つまりひらめきが起こります。その瞬間に、もうそれ以外には見えなくなるのです。

 この研究は私と石川哲朗という大学院生が一緒にやっています。そこで分かったのは、我々がいくらひらめこうと思っても無理、つまりコントロールできないのです。しかし、分かる時には、「あっ」と一瞬にして分かるのです。

発生のメカニズムは解明できない

 ―― ひらめいて分かった瞬間には、とても気分が爽快になります。ひらめいた時には、いわゆる快感物質のドーパミンが大量に出ているのですか。

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