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ヨーカ堂系安売り店「ザ・プライス」が軌道に

ロスを3分の1に低減し、2009年度は10店体制へ

  • 川又 英紀

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2009年1月8日(木)

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 イトーヨーカ堂は2009年3月から始まる来期中に、ディスカウントストア「ザ・プライス」を合計10店まで拡大する。現在は、2008年8月末に開業した1号店の西新井店(東京都足立区)と、2008年11月に開業した2号店の川口店(埼玉県川口市)の2カ所だが、2009年2月末までの2008年度中に3号店を、2009年度は7店舗を加え、計10店体制を目指す。

 1号店と2号店はそれぞれ、初年度の年商目標(西新井店は約40億円、川口店は30億円)に対して20%増の売り上げで推移し好調だ。両店ともイトーヨーカドー店舗からの業態転換による出店で、客数は業態転換前の1.7~2.0倍まで伸びている。2009年も引き続き消費者の生活防衛意識が強いと予想されることも、売り上げが落ち込んでいる既存のヨーカ堂店舗の一部をプライスに業態転換する決断を後押しした。

 プライスの立ち上げを指揮するヨーカ堂の渡辺泰充・売場開発第二プロジェクトリーダーは「2009年度はほぼ1カ月に1店のペースでプライスを開店していく。西新井店はオープンから3週間、川口店は同10日間で軌道に乗る実績を残した。早期に10店体制を確立できる自信がついた」と意気込みを語る。渡辺リーダーを中心とした特命チーム10人が、2009年度もプライスの開業に奔走する。

売り場の工夫で単品管理を改めて徹底

 プライスの好調ぶりには現在も競合他社からの「偵察」が相次いでおり、閉店時間まで店内に居残って観察する人までいるという。

新業態「ザ・プライス」を立ち上げたイトーヨーカ堂の渡辺泰充・売場開発第二プロジェクトリーダーは、顧客の来店頻度を上げるために生鮮品を充実させた。

新業態「ザ・プライス」を立ち上げたイトーヨーカ堂の渡辺泰充・売場開発第二プロジェクトリーダーは、顧客の来店頻度を上げるために生鮮品を充実させた。

 今回打ち出した10店体制は、プライスが「新業態の実験」の域を脱したことの表れだけに、ますます業界の注目が集まるのは間違いない。プライスの最大の特徴は、ヨーカ堂よりも商品の平均価格帯を10~30%程度、安く設定していることだ。当然、ローコスト経営の確立が業容拡大の必須条件だった。1号店の開業からわずか4カ月で、その条件をクリアしたことになる。

 2008年12月末の時点で、プライスのローコスト経営に最も効いているのがロスの低下である。売れ残った商品を閉店間際に値下げして販売したり、廃棄したりするなどのロスだ。これらのロスを、西新井店と川口店は2008年末までにヨーカ堂時代の3分の1まで引き下げた。「これなら価格を10~30%下げる原資を確保できる」(渡辺リーダー)。

 なぜ、これほど激的な改善を数カ月で達成できたのか。そのからくりを渡辺リーダーはこう説明する。

 「取り扱う品目数を従来の約半分に絞り込んだうえで、(建屋はそのままに)思い切って売り場面積を小さくした。ただし、在庫量は従来の2~2.5倍多く用意する。小さな売り場で絞り込んだ単品の陳列の密度を濃くし、商品を高回転させることで、狭い売り場に顧客が殺到する仕掛けを作った。商品の回転が上がれば、総菜や弁当は出来立てを並べられるし、品目数が少なくて売り場が小さければ、店員も楽に作業ができる」。実際、品目数は従来の半分(西新井店は衣食住の取り扱いでヨーカ堂時代は3万5000品目がプライスでは1万6000品目、川口店は食住で7000品目が3500品目)に抑えた。

 絞り込んだ商品群を狭い売り場に所狭しと大量陳列することで、単品ごとの売れ行きを店員が一目で確認できるようにした。そうなると、自然に発注精度が上がる。商品補充もスムーズになる。それがロスの低下につながった。渡辺リーダーは開業時に店員に向かって「ロス半減」を宣言して驚かれたが、今ではその目標を超えて、3分の1まで減った。

 この取り組みは、ヨーカ堂の真骨頂である「単品管理」の徹底そのものであり「単品管理への原点回帰」と言ってもいいだろう。イトーヨーカドー店舗との違いは、1人の店員が見ておくべき売り場と品目数を制限し、その代わりに管理精度を上げたことだ。こうしてロスを減らした。

 とはいえ、品目数を絞り込めば、顧客が買いたい商品が店頭にない機会損失も頻繁に起こり得る。これに対して渡辺リーダーは「お客様の声を聞きながら、店舗ごとに強化が必要なカテゴリーについては開業時よりも品目数を増やしていっている」と明かす。例えば、若い顧客が多い川口店は開業後にパスタの具材を充実させた。ただし、パスタの麺は絞り込んで問題なしと確認できたので、絞り込みを継続している。プライスはこうした試行錯誤を日々繰り返している。

 ほかにも、カレーのルーを2種類混ぜて使いたいとの要望に応えてルーの品目数を増やしたり、セブン&アイ・ホールディングスのPB(プライベートブランド)商品「セブンプレミアム」を2008年8月の開業時には扱わなかったのを方針転換し販売開始したりした。今では割安のセブンプレミアムが売り場の一角を占めている。

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