• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

CESが映した家電の苦境

「目玉」不在の展示会、経営者も夢を語れず

2009年1月19日(月)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 「この時期は例年、強気の価格設定をしていたが、今年は全くダメ。ディスカウントしても客室が埋まらない」。記者が宿泊したホテルの従業員は、こう言って顔を曇らせた。

 1月8日から11日まで米ラスベガスで開催された世界最大の家電展示会、「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)」。昨年までは家電各社が新製品を多数発表し、新年のお祭り気分を盛り上げていたが、今年は停滞感が漂っていた。「近未来技術のショーケース」として世界の注目を集めてきた CESは、大きな転換点を迎えた。

 CESを主催する全米家電協会(CEA)は今年の来場者数を前年比1万人減の13万人と見積もったが、「人の流れは2~3割減っている」(韓国サムスン電子の説明員)というのが各社の共通見解だ。急遽出展を取りやめた企業が出たのか、展示ホール内には空き地も点在。不況の厳しさを感じさせる風景が広がっていた。

薄型テレビの進化は頭打ち

 低調だった最大の理由は、目玉商品の不在だ。CESでは毎年、大企業からベンチャーまでが最新の技術と製品を競って展示するのが通例だ。古くはビデオテープレコーダー(1970年)、新しくは有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)テレビ(2008年)などCESで初めて披露された製品は多い。

 しかし、今年はそれが一変した。特に、主力商品の薄型テレビでも、技術の頭打ちの様相が明確になった。

 昨年は、パナソニックが150型のプラズマテレビを展示して話題をさらったが、今年は大型化の記録更新はない。薄型化も同様だ。サムスン電子が最薄部が 6.5mmとなる液晶テレビを、パナソニックが8.8mmのプラズマテレビを発表したが、昨年秋にソニーが9.9mmの液晶テレビを発売している以上、「誤差の範囲内」(国内家電メーカー幹部)という感は否めない。

 この流れを象徴するのがシャープだ。シャープは開幕前日に各国の報道陣を集めて製品発表会を開いたが、冒頭で多くの時間を割いたのは、2010年に堺市で稼働する新工場についてだった。会見終了後は、薄型テレビよりも太陽電池の方に質問が集中した。

 そんな中で、今年のテーマをあえて挙げるとすれば、「インターネットとの連携強化」だろう。

 サムスン電子の発表会には米ヤフーの幹部が駆けつけ、ネットとの親和性をアピール。パナソニックは米アマゾン・ドット・コムと組み、約4万タイトルの動画をテレビから“レンタル”できるようにすると発表した。

 ただし日本では、地上デジタル放送の「連動データ放送」や家電各社が共同運営する「アクトビラ」などで、これらの機能がある程度実用化されている。新鮮味に乏しいのが正直な印象だ。

 日立製作所の渡辺修徳コンシューマ事業グループ副グループ長は「薄型テレビは価格低下圧力が強すぎ、新技術を搭載しても売り物にできない」と語る。実際、米国の家電量販店では32型の液晶テレビが400ドル(約3万6000円)台で販売されている。

「時事深層」のバックナンバー

一覧

「CESが映した家電の苦境」の著者

小笠原 啓

小笠原 啓(おがさわら・さとし)

日経ビジネス記者

早稲田大学政治経済学部卒業後、1998年に日経BP社入社。「日経ネットナビ」「日経ビジネス」「日経コンピュータ」の各編集部を経て、2014年9月から現職。製造業を軸に取材活動中

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

リクルートは企業文化そのものが競争力です。企業文化はシステムではないため、模倣困難性も著しく高い。

峰岸 真澄 リクルートホールディングス社長