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日本郵政大変、小泉改革への意趣返し

  • 児玉 博

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2009年1月22日(木)

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 発端は昨年の12月26日。日本郵政が保養宿泊施設「かんぽの宿」をオリックスに一括譲渡するを発表したことにさかのぼる。

 これに噛みついたのが総務相、鳩山邦夫である。鳩山発言によってこの問題は一気に政争の様相を呈し始めるのだった。

 1月6日、鳩山は満を持したかのように持論を展開する。結論から言えば、オリックスへの売却は見直すというものだ。

 翌日の閣議でも鳩山はオリックスへの売却見直しの発言を繰り返す。摩訶不思議なことに鳩山発言の間髪入れず反応したのは野党の民主党であり、国民新党であった。

 しかも、「良識ある発言だ」(民主党元政調会長の枝野幸男)という具合だ。「かんぽの宿」を巡る騒動は自民、民主など与野党入り乱れた呉越同舟の状態だ。

 オリックスはなぜかくも嫌われるのか?

 1月6日の鳩山発言にそのヒントが隠されている。耳を傾けてみると政界の“オリックス嫌い”の理由がはっきりしてくる。

 「オリックスは立派な会社」。こう前置きした鳩山がこだわったのはオリックスの総帥にして、オリックスの代名詞でもある会長の宮内義彦の存在である。

 「宮内義彦会長は政府の総合規制改革会議の議長を務められて、郵政民営化の議論もずいぶんやられてた。率直に言ってまずいと思う。また、こういう景気、経済状態の中で焦って売るということはいかがなものか。『かんぽの宿』は郵政が生んだ国民共有の財産で、その処分は一点の曇りもないものにしなければならない」

 政治家としての源流が旧郵政省を牛耳っていた旧田中派出身のせいか、鳩山は「郵政民営化は大胆に見直す必要がある」と郵政民営化に対して今も批判的な姿勢を崩していない。

 鳩山発言が閣議でも好意的に迎えられたように首相官邸も鳩山支持、つまりオリックス排除を是認する構えである。

 首相の麻生太郎は、郵政民営化を推し進めた元総務相の竹中平蔵、同じ流れを汲む宮内ら“改革派”財界人たち、要は小泉内閣で我が世の春を謳歌し、旧来の政治家らに“守旧派”のレッテルを貼り、排除してきた面々に対する嫌悪感を隠そうとはしない。

コメント2件コメント/レビュー

この件で不思議なのは年間40から50億とされる赤字の内容も不明ならば(キャッシュ・フローが不明です)、有形部分の資産価値の何らの試算・推計もなしにメディアで語られていると思われることです。もう何年も赤字であれば、負債もそれなりの金額になっているのでは?もう民営化したのだから直接税金で補填しているわけではないので、価値が刻一刻と下がっているのに、鳩山氏も気楽に待ったをかけているという構図なのでしょうか?そうだとすると鳩山氏は株主の資産の価値を故意に減損しているのに責任を問われないということなのでしょうか?解説いただければ助かります。(2009/01/22)

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いただいたコメント

この件で不思議なのは年間40から50億とされる赤字の内容も不明ならば(キャッシュ・フローが不明です)、有形部分の資産価値の何らの試算・推計もなしにメディアで語られていると思われることです。もう何年も赤字であれば、負債もそれなりの金額になっているのでは?もう民営化したのだから直接税金で補填しているわけではないので、価値が刻一刻と下がっているのに、鳩山氏も気楽に待ったをかけているという構図なのでしょうか?そうだとすると鳩山氏は株主の資産の価値を故意に減損しているのに責任を問われないということなのでしょうか?解説いただければ助かります。(2009/01/22)

単純に意趣返しとだけ受け取るのはどうかと思います。動機はそうであっても結果がよければいいのでは?まず、非常に好条件といわれるオリックス側の条件ですが同様の条件を出して、1年もしないうちに保護にしたのに何のペナルティーも受けなければ、バッシング報道もされていない例があります。夕張市から観光事業を一括譲渡されたK森観光。もっとよい条件のところもあるのではという指摘に対して、市側は「一括譲渡であり、雇用保証がある」という今回の様な理屈を持ち出して実行したのですが、何の事はない、不採算に陥ってしまった事業は市に引き取れと言い出していますし、従業員も大量解雇しています。こんなことに陥るのでは? また実際に郵政民営化を進めてきた人間が事業の払い下げを受けるようなことになるのでは、自分がそうやって有利な条件で受けるために予め決めておいたのだろうと言われても否定できないでしょう。 だから動機が意趣返しだと仮にしても、結果としてよいものが国民に返って来そうなら、その通りにすべきかと思います。 また一般国民にとっても民営化は結局利益をもたらしていません。窓口やATMの時間制限がきつくなったり、手数料が上がったり、本来国民の税金で贖った国民の資産が不採算事業整理の名の下廉価販売されているだけです。 安く払い下げてもらえる一部経営者以外は、見直してもらうほうが利益となるでしょう。(2009/01/22)

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三品 和広 神戸大学教授