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“大政奉還”、両刃の剣にも

トヨタ、新社長に豊田章男氏の就任を発表

2009年1月26日(月)

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 1月20日、トヨタ自動車は6月末の株主総会後に創業家出身で、豊田章一郎・取締役名誉会長の長男である豊田章男副社長(52歳)が社長に就任する人事を発表した。14年ぶりの“大政奉還”と騒がれた今回の社長交代。その前途は多難と言わざるを得ない。

 12月に渡辺捷昭社長が「(トヨタ単体の世界販売が2008年より約100万台少ない)700万台で利益が出せる体制を作る」と決意を語ったが、その数字にも黄信号が灯り始めているからだ。

販売「ワーストケース」が現実に

 トヨタでは今も減産が止まらず、幹部が恐れていたシナリオに近づきつつある。その名も「ワーストケース」。一部の関係者しか知らないこのシナリオによると、販売台数は700万台を大幅に下回り、「部品メーカーにとっては考えられない恐ろしい数字」(大手部品メーカー社長)という代物だ。

 そんな未曾有の危機に直面したトヨタが世襲に対する批判も予想される中で章男氏をトップに据えた。このタイミングでの交代に意義があるとすれば、前例のない危機を前に浮足立つトヨタグループを結束させる「旗」としての役割だろう。

 「激動期には、お客様第一や現地現物などトヨタの原点に立ち返る必要がある。中長期を見据えた大胆な改革をするには、豊田副社長が適任と考えた」。張富士夫会長は記者会見でこう語った。

逆風下での船出となる創業家出身の豊田章男氏

逆風下での船出となる創業家出身の豊田章男氏。就任時の年齢は53歳で、父親の章一郎氏の時よりも、4歳若い (写真:堀 勝志古)

 章男氏自身は創業家と強調されることを嫌がるものの、ここで豊田家が担がれた理由の1つは、トヨタに強力なリーダーシップが必要になっているからだ。ホンダがその代名詞とも言えるF1レースから撤退したように、自動車メーカーの立て直しに、もはや聖域は存在しない。

 トヨタの業績が悪化した1990年代半ば、社長に就任した奥田碩氏(現取締役相談役)が「何も変えないことが最も悪い」と宣言し数々の改革を断行。繁栄の礎を築いた。その後、張氏、現在の渡辺氏という調整型の社長が続いた。そして今、営業赤字転落という予想外の事態に陥ったトヨタを再浮上させるには、反発を覚悟で思い切った改革が必要になる。豊田家という旗が持つ意味は決して小さくはない。

コメント2件コメント/レビュー

「中長期を見据えた大胆な改革」が創業者の威光を借りねばできない三河の田舎侍会社に成り下がった世界のトヨタ、終りの始まりのように見えます。(愚痩子)(2009/01/31)

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「“大政奉還”、両刃の剣にも」の著者

細田 孝宏

細田 孝宏(ほそだ・たかひろ)

日経ビジネス 副編集長

1995年早稲田大学卒業。日経BPに入社し、日経ビジネス編集に配属される。日経アーキテクチュア編集、日経ビジネス・ニューヨーク支局長などを経て現職

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

「中長期を見据えた大胆な改革」が創業者の威光を借りねばできない三河の田舎侍会社に成り下がった世界のトヨタ、終りの始まりのように見えます。(愚痩子)(2009/01/31)

愚生は財界に門外漢の凡人だが、この時期になって責任逃れを画策した今のトップに弄ばれたのではないでしょうか?。景気が上向くと、また乗っ取り合戦が始まるのでしょうが、挽回は期待は出来ないでしょうね。(2009/01/27)

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