今日1月29日、約100人のインドネシア人介護士が、日本国内の老人介護施設に配属され、仕事を始める。彼らは、日本が初めて介護分野で受け入れた外国人労働者だ。
日本とインドネシア両政府が結んだ経済連携協定(EPA)に基づき昨年8月、ほぼ同数の看護師とともに来日し、日本語の勉強に励んできた。首都圏の介護施設に配属が決まったD君もその1人だ。筆者はD君が来日する直前、インドネシアの首都ジャカルタで取材したことがある。
いよいよ日本で介護の仕事を始める前に、D君の近況を知りたくて、2週間前に彼と会って話を聞いた。インドネシアにいた頃、D君は日本語が全くできなかった。しかし日本に来て半年が経ち、彼は日本語で次々と質問してきた。
「アパートでインターネットは使えますか」
「ヘルスインシュランス(健康保険)は入っていますか」
「モスクはありますか」
特訓のかいあって、D君は日本語で簡単な会話ができるまでにはなっていた。だが、筆者には疑問だった。果たしてこの程度の日本語で、今日から始まる介護の仕事を務められるのか…と。
インドネシア人介護士・看護師の就労が開始したのはいいが
来日前のインドネシア人介護士たち (著者撮影)
久々に会った筆者に彼が次々と質問してくるのは、日本語ができるようになったことを示したかったからではない。
就労先の情報が、受け入れ実務を担った厚生労働省の関連団体から十分に得られないまま、配属されようとしているからなのだ。異国の地に来て、現地の言葉も十分に話せない状況では、不安になって藁(わら)にもすがりたくなる気持ちがよく分かる。
こうしたD君の様子を見るにつけ、外国人介護士や看護師の受け入れが始まったのはいいが、彼らの就労先での生活が不安になってくる。
5年後に介護職は50万人不足の予測も
D君は、もともとジャカルタで看護師として働いていた。当時の月収は日本円で1万円にも満たなかった。日本行きを希望したのは、インドネシアでは考えられない高収入に惹かれてのこと。本当は日本でも看護師をやりたかったが、経験が短く介護士で申し込むしかなかった。
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