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第6話 自称「選挙のプロ」の素顔

  • 出井 康博

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2009年2月4日(水)

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 定額交付金、消費税引き上げ、国家公務員の「渡り」禁止…。

 今国会で議論されている問題で、麻生太郎内閣と民意のズレが目立つ。「100年に1度」の不況に直面し、巷では将来への不安が日増しに高まっているが、内閣の対応を見る限り、あまりにも危機感が感じられない。

 その要因には、麻生首相をはじめとする閣僚の出自も影響しているのではなかろうか。麻生内閣は世襲議員が過半数を占める。18人の閣僚のうち、祖父や父が国会議員だった者が11人、県議を含めれば13人。首相本人を含め、4人は元総理の孫や子だ。

議員に配れらた、先日の首相施政方針演説のコピー

議員に配れらた、先日の首相施政方針演説のコピー

 世襲議員とそれ以外の議員の違いは、政治家が最も民意を意識する“選挙”で端的に表れる。「地盤」「看板」「かばん」のない者が、資金を集め、組織を築いていくのは大変だ。選挙で勝ち抜くためには、良くも悪くも民意に敏感にならざるを得ない。

 その点、世襲議員の場合、総じて選挙に強い。カネやヒトは先代から引き継いでおり、神輿に担がれていれば事足りる。そんな苦労知らずの閣僚が多いことも、麻生内閣の浮世離れぶりに拍車をかけているのかもしれない。

「少なく見積もって1億円はかかる」

 国会議員の選挙は、多額の資金が動くイベントである。カネの匂いを嗅ぎつけ、怪しい輩も近づいてくる。とりわけ、新人候補は格好のターゲットだ。

 民主党代議士・Aが初めて立候補した2000年の衆院選でも、党関係者を介し、“選挙のプロ”が事務所にやってきた。同党を支持する団体の関係者である。

 自称プロ 「選挙には少なく見積もって1億円はかかる。今の段階で、どこまで用意できるメドがあるのか」

 A 「1億円なんて、私にはありませんよ」

 自称プロ 「どんなに費用を削っても、6000万円は必要だ。集められないなら、借金をしてでも集めろ」

 A 「いえ、無理です」

 Aの言葉を聞き、プロは呆れ返った顔で去っていく。

 当時、Aは30代半ばである。政党や財団のスタッフとして働いてきた身には、大した貯えなどあるはずもない。そもそもAはカネのかからない選挙を実践すべく、党から毎月支給される50万円の活動費に加え、公認 料の1000万円だけで戦う覚悟だったのだ。

 かつて衆院選が中選挙区で争われた時代には、「5当4落」という言葉がまかり通っていた。5億円を使えば当選し、ケチって4億円しか使わないと落選してしまうというのだ。

ケチケチ選挙の基本は人件費削減

 1996年の総選挙から小選挙区制が採用され、選挙にかかる費用は格段に減った。対象となる有権者が少なければ、ビラ1つ取っても印刷枚数を減らすことができる。とはいえ、小選挙区であっても、1枚500円のポスターを2000枚刷れば、それだけで100万円が飛んでいく。

 候補者の資金力が選挙運動を左右しないよう、公職選挙法の縛りはある。ただし、同法が資金の使い方を監視するのは、選挙期間中に限ってのこと。衆院選の場合、わずか12日間に過ぎない。

 実際にカネがかかるのは、党からの公認後、普段行う政治活動なのである。Aが想定した1000万円という費用は、それを含めたものとして破格の低予算だった。

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