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小売業、カネ詰まりの冬

丸井今井の破綻が示す「もう誰も頼れない」

  • 田中 成省,池田 信太朗,飯泉 梓

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2009年2月10日(火)

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 「銀行は弱っているし、大手の同業も自分の火の粉を振り払うのに精いっぱい。小売業界にとって、誰も助けられない時代の幕が開いた」。1月29日、北海道の老舗百貨店、丸井今井が民事再生法適用を申請した(囲み記事参照)。この報道を聞いた大手百貨店の幹部はこう言って、ため息を漏らした。

百貨店の全国売上高前年比伸び率

 小売業の販売不振に歯止めがかからない。深刻なのが百貨店業界だ。日本百貨店協会の調べによると、2008年の売上高は前年比4.3%のマイナス。12月に限ると前年同月比9.4%減と、調査を開始して以来、最悪の数字となった。衣料品は18カ月連続、美術・宝飾・貴金属は22カ月連続で前年実績を割り込んでいる。

 最近では、限られた需要を意外なライバルに奪われている。「地方で百貨店が総取りしていたブランド品の販売を、ウォン安で旅行客が増えた韓国に持っていかれる」(地方百貨店幹部)。現在、日本の26空港から韓国との定期便が週に418便も飛んでいる。

おせち代金を前払い

 経営破綻した丸井今井のメーンバンクは北海道銀行。ただ、米リーマン・ブラザーズの経営破綻の影響で多額の損失を出した北洋銀行も重要な取引金融機関だった。地元の顔の老舗百貨店を金融界が支えられない。丸井今井の経営破綻は、地方銀行の体力低下を映している。

 カネ詰まりの影響はこんなところにも出ている。

百貨店における主な商品の売上高前年比

 「これで年を越してください」。昨年末、百貨店数社が、おせち料理の商品カタログに掲載した老舗の料亭数軒に事実上の“協調融資”を実行した。本来であれば、代金を支払うのは商品を受け取った後。だが、今回はあえて代金を前払いした。おせちは縁起物。カタログに載せていた料亭が破綻すれば、百貨店の信用に傷がつく。「破綻に至らなくても、資金繰りに詰まって、食品衛生上の問題を起こされるのが怖い」(前払いに参加した百貨店の幹部)。

 百貨店への商品納入が多いオンワード樫山も昨年末、国内の主力協力工場に対して、1社当たり500万円を限度とする緊急融資を実施した。取引先への緊急融資は、山一証券が破綻した1997年と98年以来、10年ぶり。融資の実行は12月25日で、返済期間は最長で6カ月間。25社に声をかけ、数社から申し込みがあったという。

 百貨店と同様に、資金のパイプが細り始めているのが家電小売業。2008年10月30日、東京・秋葉原が地盤の九十九電機が民事再生手続き開始を申し立てた。ヤマダ電機が事業を継承する。破綻の原因は、金融環境の激変による資金繰りの悪化だった。

 百貨店業界以上に薄利の家電小売業界は、取引先の電機メーカーが有形無形の資金を提供してきた。世界的な不況で、これが途絶えようとしている。

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