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【隠れた世界企業】電池を支える和紙の技

廣瀬製紙(高知県土佐市・合成繊維紙の製造)

2009年2月13日(金)

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アルカリ乾電池のショートを防ぐ「セパレーター」で国内6割のシェアを持つ。
不織布の技術を生かして、人工透析用のフィルターなども海外に輸出する。
ナノメートル単位の繊維を操り、海水淡水化用膜の開発にも乗り出す。

 時計からテレビのリモコン、ゲーム機のコントローラーに至るまで、日本人なら誰でも、毎日必ず使っているアルカリ乾電池。しかし、ある中小企業が存在しなければ、電池の歴史、ひいては我々の生活が今と大きく変わっていたかもしれない。

 高知市のランドマーク、はりまや橋から西に車で約30分。仁淀川沿いの田園風景が広がる土佐市に、その企業はひっそりと居を構えている。従業員わずか33人の廣瀬製紙だ。

 廣瀬製紙の主力商品は、アルカリ乾電池の内部に使われる「セパレーター(絶縁紙)」。電池内部でプラス極とマイナス極の材料が接触し、ショートするのを防ぐ役割を担う部材だ。

廣瀬製紙の小松茂彦社長

年間50種類を超える不織布を製造する。廣瀬製紙の小松茂彦社長が持つのは育苗用に使われる特殊紙だ (写真:山下 隆文)

 大手電池メーカーの多くが廣瀬製紙製のセパレーターを採用し、消費量が多い単3、単4型での国内シェアは約60%を占める。商社を通じて中国や米国にも輸出しており、世界シェアも30%に達する。今では100円ショップなどで安いアルカリ乾電池を買えるようになったが、「品質にこだわるメーカーは、ずっと当社のセパレーターを使い続けてくれている」と廣瀬製紙の小松茂彦社長は胸を張る。

 セパレーターに使われているのは、廣瀬製紙が開発したビニロン100%の不織布だ。これは、パルプなどの混ぜ物がないためアルカリに強く、手漉きの手法で製造するため繊維の目が細かい。このため絶縁紙に適している。

伝統の技が電池革命で開花

 廣瀬製紙の前身は、手漉きで昔ながらの土佐和紙を製造する、小さな工房だった。原料となるコウゾやミツマタの生育に適し、仁淀川の豊富な清流を利用できる土佐市周辺は、平安時代から和紙の産地として知られてきた。

 しかし第2次世界大戦後、日本が高度成長期に入ると、伝統は廃れ始めた。長い間、土佐の農家は現金収入を得るため、米の“裏作”として和紙作りを営んできた。だが若者がきつい仕事を嫌い、跡継ぎが不足し始めたのだ。

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「【隠れた世界企業】電池を支える和紙の技」の著者

小笠原 啓

小笠原 啓(おがさわら・さとし)

日経ビジネス記者

早稲田大学政治経済学部卒業後、1998年に日経BP社入社。「日経ネットナビ」「日経ビジネス」「日経コンピュータ」の各編集部を経て、2014年9月から現職。製造業を軸に取材活動中

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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