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第7話 借りた3000万円が底を突く

  • 出井 康博

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2009年2月13日(金)

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 麻生太郎政権が発足して5カ月目に入った。発足直後とも言われた衆議院の解散総選挙はいまだ実施されておらず、任期満了を迎える9月までずれ込むとの見方も強い。

 候補者にとって、選挙が延びれば、前もって選挙用に借りた事務所やスタッフなどの費用もかさみ、資金繰りに苦しむ。この連載の主役、民主党代議士・Aのような現職議員であれば普段通りの活動が選挙に結びつくが、ゼロから組織を作り上げて選挙に臨もうとする新人候補は大変だ。

 次の選挙にデビューを予定している新人候補は、今、どんな状況に置かれているのか。今回はAと同じく民主党から公認を得ている新人候補・Bの現状に焦点を当てる。

9月選挙なら最低でも5000万円はかかる

 Bは、2007年夏に民主党から公認が内定した。それ以降、党本部から月50万円の活動費を支給されるようになった。だが、選挙を意識して、活動を加速すれば、それだけではとても足りない。

 「これまで自己資金だけで3000万円近く使ったと思います。9月まで選挙が延びれば、さらに最低でも2000万円は必要でしょうね」

 現在の小選挙区制度は、中選挙区で議席を争った時代と比べ、候補者の活動費用が格段に安く済むのは事実だ。それでも、やはりカネはかかる。5000万円の大金を自ら用意できる候補者が、果たしてどれほどいるだろう。

 それにしても、いったい何にカネが要るのか。Bの活動の中身に迫ってみよう。

  麻生政権誕生から約1カ月たった2008年10月21日、Bは民主党本部で代表・小沢一郎との面会に臨んでいた。代表の承認を経て、正式な公認が決まるのだ。

Bの選挙事務所に飾られている党幹部からのメッセージ

Bの選挙事務所に飾られている党幹部からのメッセージ

(撮影:筆者)

 小沢とは以前、Bが民主党候補の選挙を手伝った際、控え室で言葉を交わしたことがある。しかし、いざ候補者となっての再会は重みが違う。

 「ひたすら(選挙区内を)歩け。そして街頭に立て」
そんな小沢の言葉にBは、

 「はい」
と頷くのが精いっぱいだった。

500万円の札束は1カ月もせず消える

 その後、別室に通され、党の財務担当者から封筒が渡された。中には、現金で500万円の分厚い束が入っていた。選挙に向けた公認料である。

 500万といえば、Bがサラリーマンだった時代の年収に近い額だ。

 「でも、別に感慨などありません。何も現金で渡さなくても銀行振り込みでいいのに、と思ったくらいです。500万円も、月末までには使い切っていた」

 Bは30代前半、大手金融機関の元営業マンだ。家族は妻と幼い子供が2人。経歴も、そして見た目も、どこにでもいそうな青年である。そんな彼が、一念発起で国政を目指した。

 これまでの連載で書いてきた民主党代議士・Aと同様、Bも身内に政治家はいない。2人の違いは、Aが落下傘候補であるのに対し、Bの場合は、生まれ育った地元から立候補していることだ。

 Bが民主党から正式に公認を得た10月時点では、いつ解散総選挙があってもおかしくない状況だった。Bも当然、そのつもりで準備を進めてきた。

月々の支出は固定費だけで200万円近くにも

 以前は月8万円で借りていた事務所も、駅前の一等地へと移した。3台分の駐車場代を含めれば、軽く月50万円を超える。有給のスタッフも6~7人は雇った。その人件費を含めれば、月々の支出は固定費だけで200万円近くにも膨らんでいた。

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