「O列車で行こう」

オバマの流儀と「ミシェル服」の親密な関係

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2009年2月19日(木)

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「Vogue」誌で取り上げられたミシェル夫人

「Vogue」誌で取り上げられたミシェル夫人

 米国のファーストレディ、ミシェル・オバマ氏が世界的に有名なファッション誌である「Vogue」3月号の表紙を飾った。米ファッション業界では、ミシェル夫人を、ジョン・F・ケネディ元大統領の夫人であるジャクリーン・ケネディ氏の再来と色めいている。

 ミシェル夫人が身につけた服のデザイナーは、その知名度が瞬く間に上がり、商品は一瞬にして売り切れる。それだけでない。スチール(盗作)と呼ばれる“似たような”デザインも、本物と同じようにSOLD OUTになってしまう

ヒラリー・クリントン国務長官とは違う

 米国では、ミシェル夫人は夫のバラク・オバマ大統領と民主党の大統領候補者選びで、最後の最後まで争ったヒラリー・クリントン国務長官と何かと比較されることが多い。

 その1つは、ミシェル夫人がクリントン国務長官と同じくアイビーリーグ卒業、弁護士という経歴を持っていることに加え、大統領である夫に多大な影響力を持っていると見られているからだ。ヒラリー氏も、第1次ビル・クリントン政権時代には、夫への影響力が大きいファーストレディと言われていた。

 実は、ファーストレディとして、Vogueの表紙を初めて飾ったのは、クリントン国務長官である。ヒラリー氏が表紙を飾ったのは、ファッションアイコンとして魅力的というよりは、その独特な存在感がもたらしたと言えるだろう。

 ヒラリー氏のファッションセンスのユニークさは、上院の議会内でも常に話題に上るほどだ。2月16日、ヒラリー氏は国務長官として初めて日本にやってきた。青いスカーフに黒のロング・コートは金髪と青い目に良く似合っている。誰にでも似合いそうな定番スタイルだが、足元まで目にすると、どことなくバランスが悪い。

 一方、ミシェル夫人のファッションセンスの良さは、上述したように、着た服装がすぐに売り切れになることが証明している。ジェイソン・ウーは、キャリアが浅いNYの新進ブランドだが、今やミシェル夫人のおかげで、NYを代表するようなブランドになっている。

 またミシェル夫人が大統領選中、シカゴ出身の使命感からか好んできていたローカルデザイナーのマリア・ピントも、今やミシェル夫人の“支援”を必要としない存在になっている。

オバマ大統領の改革を体現

 ファーストレディであるミシェル夫人のファッションが注目されるのは、こうしたセンスの良さだけではない。彼女のファッションは、夫が米国をどのように"CHANGE"していくかを、ある意味で体現するからだ。

 就任演説や大統領選の勝利演説で夫は「白人も黒人もヒスパニックもアジアもゲイもレズビアンもなく1つのアメリカ」を強調した。ミシェル夫人はそれをファッションで示している。

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著者プロフィール

横江 公美(よこえ・くみ)
PACIFIC21 代表

横江 公美 明治大学経営学部卒業。松下政経塾、プリンスト大学、ジョージ・ワシントン大学客員研究員などを経て現在に至る。政策、研修企画、広報戦略などのコンサルティングを行っている。主な著書に『第五の権力 アメリカのシンクタンク』(文芸春秋刊)、『判断力はどうすれば身につくのか』(PHP研究所)、『キャリアウーマン・ルールズ』(K.Kベストセラーズ)など。2009年2月14日に『日本にオバマは生まれるか』(PHP研究所)を出版。



このコラムについて

O列車で行こう

 「自分は黒人なのか。白人なのか。どちらでもあり、いやそのどちらでもない」

 ケニア生まれの黒人の父と白人の母を持つバラク・オバマ第44代アメリカ合衆国大統領は、生まれた時から自分探しの旅を宿命づけられていた。そのオバマ氏は黒人のミッシェル氏を夫人にすることで、その長い旅路に終止符を打ち、黒人としてのアイデンティティを固めた。

 エイブラハム・リンカーン第16代米国大統領の「奴隷解放宣言」から約150年、米公民権運動から約半世紀が経ち、ようやく誕生した"黒人大統領"。これで米国のかかえるマイノリティ問題が解決されたわけではない。オバマ大統領の新たな解放の旅路は、始まったばかり。

 新大統領が解放すべき問題をユニークな視点から解説する。

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