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今、あえて市場としての中東に目を向ける

「まるごとわかる中東経済」~現地記者リポート

  • 金沢 浩明,森安 健

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2009年2月23日(月)

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 中東経済の風景は瞬く間に変わった。原油価格が1バレル140ドルを超え、ドバイのあふれんばかりの活力が多くのメディアで紹介されたのも今は昔。米国発の金融危機が広がり、原油価格も約3分の1に急落、ドバイの建設ラッシュにも急ブレーキがかかった。

 比較的落ち着いていた中東情勢も、イスラエルがパレスチナ自治区ガザのハマスと「全面戦争」に突入し、一寸先は闇であることを改めて感じさせた。

 しかし、ここではあえて、市場としての中東に改めて目を向けたい。

 岐路に立たされながらも、中東全域を見渡せば市場はなお活力を失っていない。エジプトでは農作物の輸出が本格化し、アブダビでは脱・石油に向けた「ゼロ・カーボン都市」建設が急ピッチで進むなど、急速な経済発展で蓄えた財が、成長意欲と底力につながっている。

 日本企業にとってもまだまだ多くのチャンスが眠る「ビジネスの大地」中東の、いまだ知られざる魅力を日本経済新聞現地記者がレポートする。

「砂漠で、野菜のおいしさに驚いた!」

 エジプトの首都カイロから北、ナイル川が左右に分かれて地中海に注ぎ込むまでの三角地帯。この「ナイル川デルタ」は中東最大の農業地域だ。

 イチゴ畑では、スカーフ姿の女性が摘んだイチゴを3つに仕分ける。形、色とも最高なものは輸出用の白いカゴへ、見た目が悪ければ国内用の赤いカゴへ、商品価値のないものはゴミ袋へ入れられる。

 白いカゴのイチゴはVIP扱いされ、カゴは決して二段積みしない。摘んだイチゴはすぐに冷蔵室に運ばれて、豪華に包装。その日のうちにロンドンに空輸され、3日間のうちに小売り大手、マークス・アンド・スペンサー(M&S)の食品売り場で売り切られる。

 気温の高い中東では、野菜や果物は水分が飛んで中身が濃縮され独特の甘みを持つなど、もともと潜在競争力は高い。英国で売られるエジプト産イチゴは1箱(400グラム)約1000円。エジプト国内用の10倍以上の高付加価値品だ。

 地中海に近いダアハリーヤ県で、50ヘクタールに及ぶ水田や綿花畑、養魚場などを経営するナビル・エルザウィさんは稲刈りを終えた田を見渡し、つぶやいた。「もっと農地を拡大し、輸出も始めたい」。

 日本の製鉄会社などに勤めていたナビルさんが“脱サラ農業”を始めたのは1993年。試行錯誤が続いたが徐々に軌道に乗り、農地を買い足した。古代からのナイル川の氾濫により土壌は肥沃で、強い日差しを浴びて野菜や果物には甘みが出る。「エジプトの農業は大きな可能性がある」と意気込む。

「肥沃な土地」「強い日差し」「農薬いらず」

マンゴー園

 農業はエジプトの国内総生産(GDP)の約13%を占め、石油、ガスに次ぐ主力産業だが、人口の密集する農村は貧しさの象徴でもあった。

 変わり始めたのは新しい人材の流入や、欧州の野菜・果物需要の拡大が背景にある。数年前からマンゴーを欧州に輸出する果樹園経営者は、「イタリアやスペインの業者が直接農園まで商談にくる。彼らの要求に応じることで品質も上がってきた」と打ち明ける。

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