2006年9月に開始した「U35男子マーケティング図鑑」。その第5回(2006年10月)に登場した「草食男子」が、2年の時を経て各方面で話題を呼んでいる。今、「草食男子」が注目を浴びる理由は何か。連載著者であり、名づけ親である深澤真紀氏にお聞きした。
(聞き手:日経ビジネス オンライン編集委員 大塚 葉 構成:橋中 佐和)
――最近「草食男子」「草食系男子」という言葉がメディアで頻繁に取り上げられていますが、もともと「草食男子」は深澤さんが名づけた言葉でしたね。
深澤 はい。最初に書いたのは、2006年10月です。連載「U35男子マーケティング図鑑」の第5回で「草食男子」を紹介しました。
――もう2年以上前ですね。
深澤 そうです。だから最近になって「草食」という言葉が注目されて、ちょっとびっくりしています。
――連載は後に、単行本『平成男子図鑑』 として弊社から発行しましたが、改めて、深澤さんが今どきの男子について連載を始められたきっかけを教えてください。
「草食男子」の名づけ親、深澤真紀さん
(写真:山田 愼二、以下同)
深澤 私は彼らより上の世代ですが、今どきの男子が、私たちの世代や同世代の女子から評判が悪いのが不思議だったんです。彼らには悪いところもあるけれども、それ以上にいいところも面白いところもたくさんあるのに…、と思っていましたから。
私自身は男子世代とは年代も性別も違うので、当事者でもないのに、男子について語るのは大きなお世話だとも思いました。また、世代論とか「○○男子」とレッテルを貼ることは物事を単純にしてしまう危険性もあるとも思っていました。しかし、男子のよさや面白さや価値観を紹介しながら、彼らとのつき合い方を説明して、男子世代と上の世代をつなぐ“通訳”になるような連載にしたいと思って始めました。
“据え膳を食う”方が男らしくない
――連載5回目で登場した「草食男子」ですが、今はいろいろな解釈が出てきています。深澤さんが最初に定義された「草食男子」は、どんな男子だったのでしょうか。
深澤 『平成男子図鑑』で取り上げた男子のすべてに言えるのですが、「上の世代の“男らしさ”に違和感を感じていること」が彼らの前提になっています。
「草食男子」は恋愛やセックスがカジュアルになった世代ですから、がつがつしていません。
上の世代がよく言う「据え膳食わぬは男の恥」とか「送り狼」という言葉の意味が、彼らには分からない。「なぜ女と見たら口説いたり、セックスすることを考えないといけないんだ?」と思っています。
また、「草食男子」は上の世代のように「男女に友情は存在しない」とは思っていませんから女友達も多いですが、その代わり女性とのつき合いを特別なこととは思っていません。
上の世代は、お金と時間を費やさなければ女性とデートするのは難しかったのですが、「草食男子」は「男から告白する」とか「男がデートの段取りを考える」とか「男がデート代を払う」とか「男がプロポーズする」ということにもとらわれていません。“男女関係が割り勘”なんですね。
よく「草食男子は男らしくない」と批判する人がいますが、「据え膳」をむやみに食ったり、「送り狼」をする方がよっぽど男らしくないと思いませんか?
それに男女関係でも、男性ばかりが積極的に動くのではなく、女性だって自分でデートの段取りをしたりプロポーズをしてもいいと思いますし。
私は「草食男子」は「新しい男らしさを持った存在」だと思っています。
――「草食男子」が掲載された2006年10月では、「草食男子なんているはずがない」「あり得ない」というコメントも来ていました。
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