「細身の弁当箱はありませんか。このカバンに入るような」
ここは東急ハンズ渋谷店の弁当箱売り場。新年度を控えてにぎわう売り場で、近頃、スーツ姿でビジネスバッグを手にする男性が、店員にこう尋ねている姿が見られる。
メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)が話題になるなど男性の健康志向が高まっていたところに、深刻な経済危機が到来。健康と節約のために、弁当持参で職場に向かう人が増えているのだ。
昨秋から売上高4〜5割増
売り場担当者によると、売り上げが伸び始めたのは昨秋のリーマンショック以降。前年同期比で4〜5割増になり、そのペースが今なお続いている。「従来は女性のお客様ばかりだったが、最近、若いスーツ姿の男性やカップルで買いに来る方が多い」(東急ハンズ)。

容器を薄くしたタイガー魔法瓶の保温弁当箱(写真:陶山 勉)
好調な売れ行きを見て、同店では2月16日、弁当箱売り場をこれまでの2倍に拡張した。通路2列分に弁当箱が並ぶ売り場で、その4分の1ほどを「メンズランチボックス」コーナーが占める。男性向け商品を集めた棚だ。
弁当箱に男性用と女性用の明確な区別はないが、目立つのは紺色や黒、グレーなど地味な色。中でも売れ筋というのが、タイガー魔法瓶の「ビジネスランチLWW−A075」。売り文句は「ビジネスバッグにすっぽり入る」だ。ご飯容器におかず入れが2つの3点セットだが、厚さを従来商品より3センチメートル薄い約8センチメートルとした。
魔法瓶と同じ構造の保温機能をつけているご飯容器は、もともとは円柱形。それを直方体に加工して薄くした。希望小売価格は1万500円と通常商品の2倍近いが、「保温機能付きでカバンに入る薄さは画期的」(売り場担当者)なため好評という。
東急ハンズがメーカーと共同開発した「モバイルランチボックス」(店頭売価2289円)は厚さ5センチメートル強とさらに薄い。付属の箸は半分に分割することができ、弁当箱の中にそのまま収容可能。箸箱も不要というわけだ。
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