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代表秘書の逮捕より深刻、民主党が抱えるある問題

[第2回経済政策アンケート]で浮かぶ、在るべき政党の姿

  • 鈴木 裕美,小瀧 麻理子

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2009年3月13日(金)

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 政権前夜を迎えたはずの民主党に新たな問題が浮上した。小沢一郎代表の公設第1秘書の逮捕もさることながら、肝心な経済政策が民意と大きく乖離していることが日経ビジネスの調査で明らかになった。

 日経ビジネスは今年1月から2月にかけて、全衆院議員480人と上場企業の会長・社長、日経ビジネスオンラインの読者を対象に「第2回 経済政策アンケート」を行った(下図参照)。

>>>図の左側を拡大する    >>>図の右側を拡大する

 このアンケートは、日本経済が復活するためにどのような政策が必要かについて、17の質問で聞いたものだ。衆院議員で回答があったのは147人。質問のうち、具体的な政策内容を聞いた15問について、彼らの回答をクラスター分析(類似度を数値化し、近いものを集めて集団を作る)という方法で分類したところ、政党の枠を超えた4つの集団ができあがった。これを仮にA党、B党、C党、D党と名づけた。

 上の図は、議員のほかに「経営者」の集団と、読者を「自民支持」「民主支持」に分けた集団を加え、それぞれの志向する政策の方向性が分かるよう、座標軸上に置いた。立て札はアンケートで聞いた質問項目で、距離が近いほど、その政策への賛成度が高く、遠いほど反対の度合いが高い。

 目を引くのは、D党の孤立感だ。A、B、Cの3党から、また、経営者や読者といった“民意”からも遠く離れている。このD党には、実は、鳩山由紀夫氏や藤井裕久氏、野田佳彦氏、長妻昭氏など民主党の幹部や若手有力議員が集まっている。

民主党に多い「安全網重視派」

 D党は、いわば「セーフティーネット(安全網)重視派」だ。所得格差や派遣などの雇用形態が広がることには強い抵抗感を示し、都市と地方の格差是正や労働分配率の引き上げなどに積極的である。世界経済の崩壊で雇用問題が懸念される現状において、一見、世論に沿っているように見える。

 しかし一方で、ややもすれば社会主義的な動きにつながりそうな傾向も散見される。「福祉や医療で民間サービスの競争を促すべきか」「消費者保護は企業の自主的な努力に任せるべきか」といった質問に否定的な回答が多く、政府の関与や国による規制を求める声が大きい。

 特筆すべきは、「結果の平等」を重視する議員が多いことだ。4党中で唯一、D党のみが「結果の平等より競争条件の平等を重視すべきか」という質問に対し、反対が賛成を上回った。

 米国の金融危機を目の当たりにし、確かに、行き過ぎた市場経済のあり方には疑問の声が出てきてはいる。とはいえ、競争原理の利点をも否定するこうした考えに、“民意”は違和感を抱いている。これもまた、アンケートの結果から明らかである。

民主党ではなく「企業のスタンスが変わる」?

 「民主党政権」の誕生が現実味を帯びてくるにつれ、特に産業界では不安も膨らんでいる。民主党幹部が多く含まれるD党の政策は、コスト削減など企業の生き残り努力に冷や水を浴びせかねないためだ。

 民主党の菅直人・代表代行は、こうした産業界との乖離について「企業のスタンスは今後、変わる。1つのきっかけは雇用問題だ。現役の経営者はどうしても目先を考えるが、会社として一時的によくても、社会としておかしければ、会社にとっても必ずマイナスだ」と話し、民主党はD党のスタンスを堅持する考えを示した。

 あらゆる需要が急激に冷え込むなか、これ以上、企業は過剰な人員を抱える余力を保ち続けられるのか――。東京大学の御厨貴教授は、「一度も政権を取ったことのない野党の政策に実現性を求めるのは難しい。どうしても国民の耳に心地よいものに流れるのは仕方ない」と、話半分に聞くべきだと指摘する。

 現実と向き合った時、民主党は果たしてどう動くのか。本音が明らかになる日は、そう遠いことではなさそうだ。

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