その表明を聞いて、電力業界の関係者は苛立ちを隠さなかった。
2月24日、経済産業省の二階俊博大臣が、家庭などでの太陽光発電による余剰電力を、電力会社が一定価格で買い取ることを義務づける「固定価格買い取り制度」を導入すると表明した。2010年度から一般的な電力料金の倍の価格で買い取るという内容だ。
追い詰められた電力業界
電力業界は高値買い取りによってコストが上昇してしまうこの制度に長らく反対してきた。また、太陽光発電機が一気に普及すれば大量の電力が送電線に流れ込み、電圧や周波数などの制御が難しくなる。それを防ぐ2次電池などを導入すると、設備投資額が膨れ上がるという。2030年に太陽光発電の導入量が 2005年度の40倍になった場合、設備の強化に要するコストは約7兆円に上るとの試算がある。
それでも、電気事業連合会の森詳介会長(関西電力社長)は二階大臣と会談し、買い取り制度への協力を伝えた。電力業界が受け入れに動いた背景には、環境事業への重点投資政策である「グリーンニューディール」を巡る政官の攻防があった。
昨年から自民党は、元環境大臣の川口順子・参院議員を中心に再生可能エネルギーの普及に関して議員立法を検討していた。その案は太陽電池のみならず、風力発電やバイオマス発電について、より高値で買い取るという大胆なものだった。
1月には米バラク・オバマ大統領がグリーンニューディールを発表。景気対策として太陽光発電への関心が高まり、支持率低迷に苦しむ自民党が議員立法に向けてアクセルを踏んだ。
こうした流れを受けて、電力業界は制度の導入は不可避だと腹をくくった。ただ、自民党案には「現実的ではない」と反発しており、経産省が提示した負担の少ない買い取り制度を受け入れた。経産省は関連法案を3月上旬には策定し、今国会で成立させる構えだ。
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