2012年5月25日(金)
宮嶋 康彦(みやじま やすひこ)
1951年長崎県佐世保市生まれ。写真家、作家。東京造形大学講師。『紀の漁師 黒潮に鰹を追う』(草思社)、『誰も行かない日本一の風景』(小学館)、『蛍を見に行く』『この桜、見に行かん』(文藝春秋)、『花行脚・66花選』(日本経済新聞社)、『たい焼の魚拓』(JTB)、『脱「風景写真」宣言』(岩波書店)、『写真家の旅―原日本、産土を旅ゆく。』(日経BP社)など著書多数。自身のホームページでは写真と文章を毎日更新。
2010年8月27日 『モロッコ革の本』栃折久美子が語る本の未来 手製本作りの「おやかた」電子書籍を大いに容認する Kindle(キンドル)、そしてiPad(アイパッド)が発売になってから、電子書籍がにわかに脚光を浴びるようになった。こういった電子書籍端末やタブレット機で読む本の対極にあるのは、言うまでもなく紙の本...
2010年6月11日 「もしも、ぞ、口蹄疫に感染した野生のイノシシやシカが、山を越えてきたらどげんすっとか」 一向に収束しない伝染病、怯える熊本のホタル守り 熊本県下で屈指の畜産圏、菊池市。いっぽうで市内にはホタル生息地が多く、中でも旧旭志村は「山が発光しながら動く」といわれるほど「日本一のホタルの里」である。主峰鞍岳山麓には牛や豚が飼われ、初夏の小川では...
2010年5月21日 セルフヌードをも辞さない女子カメラの深淵 「いい写真だね、と言われることは自分への評価です。その一言がしんどい毎日の糧になるんです」 赤裸々に写されたWさんのヌード作品を、会社帰りのビジネスマンや主婦、フリーランスのカメラマンや学生といった13人が凝視する。そしてそれぞれが講師の私の反応を注視する。「セルフ・ヌード、あるいは、セルフ...
2010年3月31日 “洗える紙”の技を継ぐ深山の紙漉き場 「ついこないだは、サンフランシスコからわざわざこの山ん中に紙を買いに来たアメリカ人がいましたわ」 紙なのに「何度でも洗濯して使えます」という。中村功さんが普段使っている2つのショルダーバッグを見せてくれた。1つは10年、魚釣り用は5年使用しているという。柿渋で染められた紙の小物入れは、使い込まれて...
2010年3月19日 知られざる銘桜12選の旅 花見酒の味を深くする1本桜にまつわる物語 桜木はご近所の桜であっても、そう、公園や校庭の染井吉野にしても、松や杉とは趣を異にする。児童、生徒は、学校で植物の大切さを教えられるとはいえ、花の枝を折るような愚行を行わない。それほど、桜は日本人にと...
2010年3月5日 “つぶやき”効果で1万冊!10坪の出版社、羽鳥書店の挑戦 「出版人が出版不況などと言ってはいけません」 2月「羽鳥書店まつり」と銘打った青空古本市が開かれた。売れた冊数は1万500冊。購入した人の数は1630人。「すごいですね、ツイッターですよ。いろんな人がつぶやいてくれたんです、いま古書市にいるよ、と...
2010年2月19日 電子書籍も何するものぞ、この職人の手製本 「紙とインクのにおいがする本は決して無くならない。無くなってはならないんですよ」 書籍の世界に劇的な変化が始まっている。中世ヨーロッパで誕生したという、紙に印刷された本という形が、電子書籍に変わろうとしている。小説もノンフィクションもネットからダウンロードして、専用端末で読書する時...
2009年11月26日 不毛の地を観光地に変えた彼らの視点 近代化があぶりだした「日本人の原郷」を求めて グラバーは、日本人に西欧的風景の見方という、新しい価値観を教えたのである。おそらく、グラバー自身、いや、当時の外国人の多くの人たちは、無意識のうちに、それを日本人に植え付けた、といったほうが的を射てい...
2009年11月13日 女一人、執念で突きとめた真実 父の遺志をつぎ汚名と誤解を晴らすために戦い続けた人生 野田平之助さんと娘の和子さんの、父娘2代にわたる、調査研究は、さらに真実へ近づいていく。明治建国に大きな貢献をしたグラバーの実像に関しては、父親の平之助さんが大方を解き明かした。今回は、その難しい問題...
2009年10月30日 明治維新と新国家を支えた長崎の男 グラバーの日本人妻と『蝶々夫人』のなぞを追う 長崎の旧グラバー邸の主はトーマス・ブレイク・グラバー。のちに明治建国の貿易商人といわれた人物である。スコットランド出身の21歳の青年が、開港したばかりの長崎に来日したのは、今からちょうど150年前の安...
2009年10月2日 世界一薄い和紙が修復する父子の“絆” 「近ごろは自殺者が増えていますが、当時、苦境の私を救ってくださったのは3軒の紙問屋でした」 世界で最も薄い和紙に触れた。1平方メートルあたりの重さは3.5グラム。超極薄の典具帖紙である。手に取った感触では重さが感じられない。新聞紙に被せてみれば、鮮明に文字を読むことができる。
2009年9月11日 カバの生き方こそ我が社の“社訓” 「カバを大切にしなくてはならない、と先代からも厳しく言い含められています」 「もともと社名のカバヤは、カバのように、争わず、穏やかに過ごし、いざというときは存分に力を発揮するという、そんな偉大な動物をイメージして命名されたんです」と、手放しでカバを称賛する。
2009年8月28日 米子のどらやき、世界の茶の間を席巻 「近ごろ、餡子は苦手という若者が多いのは、ちいさいころ、美味しい餡子菓子を食べなかったせいです」 鳥取県米子市に本社を持つ丸京製菓は、単一工場で製造されるどらやきの生産量が日本一とされる。国内と海外15都市に年間1億3000万個を出荷、市の関係者は「日本一ということは、世界一ということです」と手放...
2009年8月11日 日本一の花火、その華美の余韻に浸る 秋田・全国花火競技大会「大曲の花火」を見に行く 今年の「第83回 大曲全国花火競技大会」は8月22日に開催される。あくまで競技大会であり、全国の花火師が切磋琢磨した熟練の技術を披露する。まさに、日本一の花火師が決定される大舞台。
2009年7月31日 たい焼き1日450個で“下関一”稼いだ女 「支店長さんが、えらいですね1人でこんなに稼ぐ人はあなただけですね、と言いました」 「商いは牛の涎といいますが、日銭が入る商売は止められません、たかが、たい焼とお思いでしょうけど、月に80万円を稼いだこともあります、それから、お正月飾りとお餅を売る3日間で200万円の売り上げがありま...
2009年7月17日 一途な男と女が活力を注ぐ海辺の町 「初デートの日に、彼女がちょっと車を停めて、と言うから何事かと思えば、藪に入って…」 地方再生や地域活性という言葉に、新鮮な感慨が薄れ、むしろ、食傷気味になっていた。すっかり手垢がついてしまった言葉は、なかなか鮮度を恢復することは難しい。
2009年6月19日 何もない村が成し遂げた国家的プロジェクト 「神社の銅鏡は、どげんかならんもんじゃろか」で始まった「西の正倉院」建造物語 「神門神社(みかどじんじゃ)の銅鏡は、どげんかならんもんじゃろか、祖母の話じゃと、昭和の初めころ神門神社の銅鏡を研究に来た広瀬都巽(とせん)という学者は、ご飯を食べるのも惜しんで鏡を見つめておったそう...
2009年5月29日 “100万円道路”の村が古代史の里に 「昭和40年代はダム工事、50年代は公共事業で潤った。3年前からとんとお客が減りました」 「明治に開業された旅館でしてね、けっこういい商売をしてきたんです、古老の話では芸者の置屋が3軒あったそうです、なんでも、日向には1軒もなかったと自慢げに話しておられました」
2009年5月15日 四国の秘境、寒茶の里の女たち 「年金の何十倍の収入が入るようになったでしょ、腰が、ホレッ、伸びきったですよ」 「このあたりは、とっくに集落としての機能を失くしています…それでも、このまま萎れたんじゃいやだ、と思って」。足元を、よくよく見つめるうちに「山茶というすばらしい財産があるじゃないか」と気づいた。そこで...
2009年5月1日 水景色の日本を旅する 湧水、川、渓谷、滝、湖、そして海――。水に癒されに行く この国は世界に冠たる水の国である。いたるところに名水といわれる清水が湧き、慰安の景色をつくりだしている。荒々しいアジアモンスーンの影響をつよくうける気候風土の中にあって、日本人の暮らしは、豊かな水の恩...
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