「「草食男子」も悪くない」

「“男の沽券”って何スか?」と聞く「草食男子」

牛窪 恵さん×深澤真紀さん(最終回)

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2009年3月26日(木)

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──連載「U35男子マーケティング図鑑」(のちに『平成男子図鑑』として発行)の中で、深澤真紀さんが命名した「草食男子」について、今回も議論を尽くしていただきます。

 ゲストは前回に引き続き、マーケティングライターで『草食系男子「お嬢マン」が日本を変える』(講談社プラスアルファ新書)の著者、牛窪恵さんです。


―― お2人の対談の最後に、「草食男子」「草食系男子」がこれからの日本をどう変えるのかについてお話しいただきたいと思います。

牛窪 まず、彼らは基本的に何かに牙をむくことのない穏やかな人たちで、こんな「いい子」を増殖できた日本は捨てたものではないと思います。不景気になるとなおさら彼らは、転職願望が薄れて、上司ともそこそこうまくやっていきたいはずですから、言うことをちゃんと聞くようになるでしょう。

 注意が必要なのは、『草食系男子「お嬢マン」が日本を変える』にも書いたように、「頑張る」という言葉1つにしても、彼らなりの「頑張る」があって、概念がかなり違うという点です。

―― 上司が部下に残業を頼む時に「頑張れよ」と言い、「はい、頑張ります」と答えた部下が、残業をたった1時間しただけで帰ってしまう、というエピソードがご著書にありましたね。

牛窪 そうなんです。上司の方は、「頑張る」と言うなら少なくとも6時間ぐらいは残業するだろう、または徹夜してでも完成させるだろう、と考えますよね。でも1時間残業して「俺、頑張ったじゃん」と満足したら帰ってしまうのが、「草食系男子」。それが彼らなりの「頑張る」なんです。

 そもそも「徹夜して仕上げる」という概念そのものが彼らにはないのです。だから上司は、同性といえども「草食系男子」は全く別の生き物と思って接した方がいいですね。女子に対するような接し方をすると、「草食系男子」の扱いでも大きな失敗はないと思います。

マーケティングライター、インフィニティ代表取締役の牛窪恵さん(左)と深澤真紀さん

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著者プロフィール

深澤 真紀(ふかさわ・まき)

深澤 真紀

コラムニスト・編集者。企画会社タクト・プランニング代表取締役社長。1967年、東京生まれ。早稲田大学第二文学部社会専修卒業。卒業後、いくつかの出版社で編集者をつとめ、1998年、企画会社タクト・プランニングを設立。日経ビジネスオンラインで2006年に「草食男子」や「肉食女子」を命名、「草食男子」は2009年流行語大賞トップテンを受賞し、国内だけはなく世界で話題になる(『草食男子世代−平成男子図鑑』(光文社知恵の森文庫)に収録)。日経ビジネスオンラインの連載をまとめた『自分をすり減らさないための人間関係メンテナンス術』(光文社)、『考えすぎない生き方』(中経の文庫)、『女はオキテでできている―平成女図鑑』(春秋社)など著書も多数。そのほかの連載に、「深澤真紀の平成働き女子のための処世術」、「深澤真紀の草食の時代」、「草食男子も悪くない」など。

橋中 佐和(はしなか・さわ)

編集者、ライター。タクト・プランニング取締役プロデューサー。
1966年、東京生まれ。津田塾大学学芸学部国際関係学科卒業。学生時代は「本の雑誌」編集部に関わる。日本IBMを経て、「翻訳の世界」「ロッキング・オン」編集部に勤務。以後フリーランスとして、生き方、暮らし、食、健康・美容、旅、映画、音楽に関する雑誌、単行本の企画・編集・構成、執筆、校正などを手がける。



このコラムについて

「草食男子」も悪くない

恋愛やセックスに淡白で、女性と添い寝しても手を出さない、最近の若い男性たち。著者の深澤真紀は、日経ビジネスオンラインの連載「U35男子マーケティング図鑑」で、彼らを「草食男子」と名づけた。彼らの生態や行動パターンを、「信じられない」と言う人もいる。しかし、今後は「草食男子」のような新世代が日本を変えていくのではないか。そんな彼らを応援する深澤真紀が、「草食男子」をキーワードに様々な識者と語り合う。

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