──連載「U35男子マーケティング図鑑」(のちに『平成男子図鑑』として発行)の中で、深澤真紀さんが命名した「草食男子」について、今回も議論を尽くしていただきます。
ゲストは前回に引き続き、マーケティングライターで『草食系男子「お嬢マン」が日本を変える』(講談社プラスアルファ新書)の著者、牛窪恵さんです。

深澤真紀氏の著書、『平成男子図鑑』(日経BP社)は、「草食男子」が生まれた連載「U35男子マーケティング図鑑」をまとめたもの。2007年6月発行

牛窪恵氏の著書、『草食系男子「お嬢マン」が日本を変える』(講談社プラスアルファ新書)。「草食系男子」の消費傾向や生活習慣を、データを基に分析。2008年11月発行
―― お2人の対談の最後に、「草食男子」「草食系男子」がこれからの日本をどう変えるのかについてお話しいただきたいと思います。
牛窪 まず、彼らは基本的に何かに牙をむくことのない穏やかな人たちで、こんな「いい子」を増殖できた日本は捨てたものではないと思います。不景気になるとなおさら彼らは、転職願望が薄れて、上司ともそこそこうまくやっていきたいはずですから、言うことをちゃんと聞くようになるでしょう。
注意が必要なのは、『草食系男子「お嬢マン」が日本を変える』にも書いたように、「頑張る」という言葉1つにしても、彼らなりの「頑張る」があって、概念がかなり違うという点です。
―― 上司が部下に残業を頼む時に「頑張れよ」と言い、「はい、頑張ります」と答えた部下が、残業をたった1時間しただけで帰ってしまう、というエピソードがご著書にありましたね。
牛窪 そうなんです。上司の方は、「頑張る」と言うなら少なくとも6時間ぐらいは残業するだろう、または徹夜してでも完成させるだろう、と考えますよね。でも1時間残業して「俺、頑張ったじゃん」と満足したら帰ってしまうのが、「草食系男子」。それが彼らなりの「頑張る」なんです。
そもそも「徹夜して仕上げる」という概念そのものが彼らにはないのです。だから上司は、同性といえども「草食系男子」は全く別の生き物と思って接した方がいいですね。女子に対するような接し方をすると、「草食系男子」の扱いでも大きな失敗はないと思います。

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