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自縄自縛で負けた労組

春の労使交渉で賃上げへのこだわり捨て切れず

  • 鷺森 弘

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2009年3月31日(火)

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 政府、連合、日本経済団体連合会などの政労使が3月23日、雇用の安定・創出への緊急対策で合意した。急激に悪化している雇用情勢に歯止めをかける狙いだが、この合意を即効性のあるものとするには、今春の労使交渉で完敗を喫した労働組合側の意識改革が欠かせない。

 合意文には、ハローワークの機能強化や職業訓練期間中の生活支援などの安全網拡充が盛り込まれたが、労組側にとって悩ましいのはワークシェアリング(仕事の分かち合い)の推進が第1の柱となったことだろう。

 「日本型ワークシェアリング」は、不況期に仕事が減っても、残業削減、休業、出向などで雇用を維持する考え方。既に一部企業が緊急避難的に実施しているが、労組側は「実質的な賃下げだ」として反発してきた経緯がある。

「賃下げではない」の強弁

 だが、雇用調整の嵐の中でも、雇用維持と賃上げの両方を交渉の柱に据えた労組側の硬直的な発想が根強く残ったままでは、ワークシェアを巡る合意も画餅に終わる。

 傍証となるのが今春の労使交渉だ。連合を頂点とする労組の闘争方針は現場の無力感を招いただけに終わった。

 「賃下げじゃありませんよ」

 3月18日。大手製造業の集中回答日に、金属労協の副議長として会見を終えた電機連合の中村正武中央執行委員長は、取り囲んだ記者に色をなして反論した。日立製作所や東芝、シャープなど一部の電機大手が定期昇給を一時凍結する方針が明らかになり、「実質的な賃下げになるが…」と問いかけられた時だ。

 この日は自動車で4000円、電機で4500円の賃上げ要求に対し、経営側は軒並みゼロ回答を通告。これで労組の敗北が決まったが、定昇実施を意味する「賃金体系維持」も同時に示された。多くの労組が定昇見直しを交渉当初から示唆されていただけに、金属労協の西原浩一郎議長(自動車総連会長)は「賃金体系維持を確保でき、労組は最低限の役割を果たした」と強調した。

 だが、定昇見直しは避けられたとはいえ、本来勤続年数が1年増えると上がるべき賃金が上がらなければ、実質的な賃下げだ。産別交渉を主導する立場からすれば、「賃下げ」という表現は口が裂けても使えなかったのだろう。

 電機連合の執行部は交渉開始時から「経営側の緊急提案は交渉で取り扱わないようにする」として、定昇凍結のような緊急提案は個別事情として産別闘争と切り離す方針を示していた。

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