法廷では勝ったが、ゲームクリアとはいかず──。
業績好調の任天堂が深い悩みを抱えている。世界に蔓延する海賊ソフト問題だ。
この3月、任天堂とカプコン、スクウェア・エニックス、セガなどゲームソフト開発54社が、ゲーム機の不正利用装置「マジコン」を販売する輸入業者5社に対して、東京地裁に販売差し止めなどを求めた裁判で、任天堂側の勝訴が確定した。
差し止め判決も歯止めかからず
だが判決が確定した今も、電気街やインターネット上の通販サイトではマジコンを簡単に入手できる。
マジコンとは海賊版ソフトをゲーム機で使えるようにする製品で、約3000円で売られている。例えば携帯型ゲーム機「ニンテンドーDS」向けマジコンとして有名な中国製の「R4」は、DS用ゲームで使うロムカード(ゲーム情報が入ったカード)と外見はほぼ変わらず、使い方も一緒だ。

ネット上には違法のゲーム情報が溢れている。それをパソコンに取り込み、メモリーカードに保存する。そしてR4にカードを組み込み、ゲーム機のスロットに差し込めば、ゲーム機が起動する。正規ソフトを買わなくても、ゲームを自在に楽しめるのだ。
「お、まだ買えるんだ」。4月4日土曜日、日本有数の電気街、東京・秋葉原では「R4」「DSTT」などマジコンの宣伝看板を見た若者たちが店舗に吸い込まれていった。

東京地裁で販売差し止め判決が出た2月27日からは、販売をやめる電器店やゲームショップも増えた。だが、一部店舗は販売を続けており、入手できる状況が続く。
マジコンを販売する秋葉原のゲームショップ店員は「違法判決が出たのは知っている。しかし、『もう買えなくなるのでは』と心配する顧客の駆け込み需要が増えており、販売を続けている。在庫も十分にある」と打ち明ける。
店舗だけでなく、ネット上でも違法な販売業者とのいたちごっこは続く。
今年3月、あるネットオークションサイトに「DSL用IC3777788」という商品が登場した。「ニンテンドーDSの本体の機能が向上する半導体チップ」という触れ込みがあり、大量に出品された。3777788は携帯電話の文字盤入力に直すと「DSTT」。実際には「マジコン」と見られることから、後に商品は削除された。
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