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絶好調・任天堂が悩む海賊装置

裁判勝訴も世界で蔓延、ソニーも対策強める

2009年4月13日(月)

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 法廷では勝ったが、ゲームクリアとはいかず──。

 業績好調の任天堂が深い悩みを抱えている。世界に蔓延する海賊ソフト問題だ。

 この3月、任天堂とカプコン、スクウェア・エニックス、セガなどゲームソフト開発54社が、ゲーム機の不正利用装置「マジコン」を販売する輸入業者5社に対して、東京地裁に販売差し止めなどを求めた裁判で、任天堂側の勝訴が確定した。

差し止め判決も歯止めかからず

 だが判決が確定した今も、電気街やインターネット上の通販サイトではマジコンを簡単に入手できる。

 マジコンとは海賊版ソフトをゲーム機で使えるようにする製品で、約3000円で売られている。例えば携帯型ゲーム機「ニンテンドーDS」向けマジコンとして有名な中国製の「R4」は、DS用ゲームで使うロムカード(ゲーム情報が入ったカード)と外見はほぼ変わらず、使い方も一緒だ。

販売が続く電気街の店頭
任天堂などの勝訴確定後も電気街の店頭で海賊版ソフト利用ツールの販売が続いている

 ネット上には違法のゲーム情報が溢れている。それをパソコンに取り込み、メモリーカードに保存する。そしてR4にカードを組み込み、ゲーム機のスロットに差し込めば、ゲーム機が起動する。正規ソフトを買わなくても、ゲームを自在に楽しめるのだ。

 「お、まだ買えるんだ」。4月4日土曜日、日本有数の電気街、東京・秋葉原では「R4」「DSTT」などマジコンの宣伝看板を見た若者たちが店舗に吸い込まれていった。
 

マジコン「R4」
マジコン「R4」

 東京地裁で販売差し止め判決が出た2月27日からは、販売をやめる電器店やゲームショップも増えた。だが、一部店舗は販売を続けており、入手できる状況が続く。

 マジコンを販売する秋葉原のゲームショップ店員は「違法判決が出たのは知っている。しかし、『もう買えなくなるのでは』と心配する顧客の駆け込み需要が増えており、販売を続けている。在庫も十分にある」と打ち明ける。

 店舗だけでなく、ネット上でも違法な販売業者とのいたちごっこは続く。

 今年3月、あるネットオークションサイトに「DSL用IC3777788」という商品が登場した。「ニンテンドーDSの本体の機能が向上する半導体チップ」という触れ込みがあり、大量に出品された。3777788は携帯電話の文字盤入力に直すと「DSTT」。実際には「マジコン」と見られることから、後に商品は削除された。

コメント5件コメント/レビュー

海賊版とのいたちごっこは永遠に終わらないのでは?(2009/04/14)

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「絶好調・任天堂が悩む海賊装置」の著者

広岡 延隆

広岡 延隆(ひろおか・のぶたか)

日経ビジネス記者

日経コンピュータ編集部、日本経済新聞産業部出向を経て2010年4月から日経ビジネス編集部。現在は自動車など製造業を担当している。これまでIT、電機、音楽・ゲーム、自動車、製薬産業などを取材してきた。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

海賊版とのいたちごっこは永遠に終わらないのでは?(2009/04/14)

私は今、上海に居ますが、街角で小さなゲーム店を覗くと必ずPSPとDSが置いてあります。また、上海のバスや地下鉄でもPSPで遊び、映像を見、文書を読む人が必ず1人2人はいます。しかし、つい最近まで中国ではPSPは正規ルートで販売されていませんでした。つまり、ここにあるPSPは全て個人輸入品なのです。プラットフォームの存在しない場所にコンテンツが市場を開拓できる訳は無く、またコンテンツの無いプラットフォームが普及する訳はありません。ではこのPSPの普及の牽引役は誰なのか?実はほとんど(特に中国語化されたコンテンツは全て)マジコンによりコピーされた割れソフトなのです。コピー商品が市場を形成する側面を無視できないのではないでしょうか?また、反日教育を受けた中国の若年層に日本のコンテンツのファンを大量に獲得している成果も見過ごしてはならないと思います。(2009/04/14)

海賊版対策が急務なのはわかりますが、現在ゲーム業界に、単独で対策を行うだけの力を現在持ちうるのかは疑問です。ただでさえパソコンのオンラインゲームの影響を多大に受け、ゲーム業界全体が急速に縮小している。そこに海賊版問題でさらに市場が停滞する事になって、今やゲーム業界は“未曾有の窮地”に陥っていると見ています。ゲーム業界だけでなく、今後訪れるであろう、真の意味での“一人一台PC時代”に向けて、日本の知的財産に対する更なる法整備が求められます。パソコンソフトも海賊版対策が急務なので、ここは“デジタルエンタテイメント”として、PCもゲームも“一枚岩”になり、不正の横行に立ち向かわなければならないと考えます。これに音楽業界や映像業界も参画し、強固かつ密接に結びついて強大な団体を立ち上げる事が出来れば、長年にわたって業界を震撼させ続けている、“海賊版対策”に確実に大きな一手を打つ事が出来るのではないでしょうか?デジタルエンタテイメント業界全体に、更なる“良い意味での柔軟性”を求めたい所です。それが知的財産を保護する事にも繋がると思うので。(2009/04/13)

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ジェニー・ダロック 米ピーター・F・ドラッカー伊藤雅俊経営大学院学長