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シリーズ 金融危機、影の主役 3
一役噛んだ監査法人、そして終わりの始まり

  • 大野 和基

  • 日経ビジネスオンライン編集部

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2009年4月16日(木)

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 4月9日、英首相のゴードン・ブラウンは、クラウン・ディペンデンシー(英王室属領)と呼ばれるエリザベス女王を君主として忠誠を誓いつつ、独自の議会と政府を持つ地域に書簡を送った。その内容とは、彼らが持つ金融の秘密主義風土(culture of secrecy)を今年の9月を期限として改め、さもなければ制裁を加える、というものだ。

 タックスヘイブン(租税回避地)を監視する世界的ネットワークであるタックス・ジャスティス・ネットワーク(TJN)のジョン・クリステンセンは「ブラウンの取り組みは、イギリスはタックスヘイブン対策に本腰を入れていく、というメッセージで非常に大きな意味を持つ」と指摘する。

 連載「シリーズ 金融危機、影の主役」の初回「世界経済に根を張るタックスヘイブン」で述べたように、タックスヘイブンはそもそも英国の国家政策として広がってきたもの、というのがTJNのクリステンセンの認識だ。その英国が率先してタックスヘイブンの取り締まりを強化するのだから、その効果は何よりも大きいと、クリステンセンは言う。

 この連載で紹介したように、タックスヘイブンに対する締めつけはOECD(経済協力開発機構)やEU(欧州連合)が行ってきた。クリステンセンの見方が正しければ、英国が今回明らかにした締めつけは、こうした国際機関の取り組みに弾みをつけることになる。実際、そうした動きが出ている。

 連載2回目「明るみにでる大富豪への脱税指南」で触れたが、G20(20カ国・地域)首脳会合(金融サミット)開催に合わせてOECDは、透明性で問題点のあるタックスヘイブンを公表した。名前を挙げられたタックスヘイブンは、国際的に合意された税務情報の交換の基準に従っているが導入面でまだ課題のあるいわゆるグレーリストと、国際基準に従っていないブラックリストに振り分けられている。

ブラックからグレーに

 4月2日に公表された時点では、ブラックリストにはフィリピン、コスタリカ、マレーシアのラブアン島、ウルグアイなどの4カ所が掲載された。だが、これらの4カ所は、公表後、改革をすると約束したので、グレーリストに移された。

英バーミンガム大学教授のロナン・パラン

 ブラックリストからグレーリストに移されただけだが、タックスヘイブンの専門家はこの変化を驚異的なこと、と言う。OECDがこれまで行った対策は、どれも失敗に終わっていたからだ。

 英バーミンガム大学の教授で共著に『タックスヘイブン』(作品社)を持つ、ロナン・パラン (専門は国際関係)は言う。

 「OECDは制裁を科す権限がないため、タックスヘイブンに対していくら透明性を求めても、全く効き目がなかった。これまで彼らの取り組みは失敗の連続と言っていいものだ」

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