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【技術フロンティア】大型船動かす太陽の力

太陽光発電船~日本郵船

  • 中島 募

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2009年4月24日(金)

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大型船舶が排出する二酸化炭素(CO2)が問題視され始めている。重油を使わない船の実現に向け、太陽電池を搭載する輸送船が登場した。空気の泡や水蒸気の爆発を利用して燃費を向上させる技術の開発も進む。

 太陽がさんさんと降り注ぐ海上で、悠々と航海する大型輸送船。甲板に設置した太陽光発電パネルが光を反射して、燦然と輝く。2008年12月、太陽光を利用して動く大型船「アウリガ・リーダー」の竣工式が行われた。日本郵船が所有する自動車運搬船で、国内で生産した自動車を海外に運ぶ。全長約200m、重量約6万トンの船体に約6200台の車を積載できる。

 新型船の甲板に取りつけられた太陽光発電パネルは328枚。最大40キロワット(kW)の発電能力を持つ。一般家庭の約12軒分に相当する電力である。船舶にパネルを持ち込んで数kWの電力を発電する実験は過去にもあったが、ここまで大きな電力を太陽電池で賄うのは世界初の試み。約2年の運航を通じて塩害や船の揺れ、風の影響などを検証する計画だ。

脱・重油に向けた第一歩
昨年12月に竣工した日本郵船の自動車運搬船「アウリガ・リーダー」。出力3300キロワット(kW)のディーゼル発電機の補助電源として、出力40kWの太陽光発電システムを搭載する。約2年の運航を通じてパネルに対する塩害などの影響を検証する

電力・製鉄並みのCO2排出量

 現在の大型船のほとんどは、動力や照明などの生活電力のエネルギーをほぼ100%重油で賄っている。推進用のスクリューを回転させる大型のディーゼルエンジンに加え、船内の電力を供給するディーゼル発電機を複数搭載する。このため、1隻当たりの二酸化炭素(CO2)の排出量は非常に多い。日本最大の海運会社である日本郵船の場合、グループで運航する船のCO2年間排出量は合計2300万トンに上る。排出量が多いとされる電力会社や製鉄会社に匹敵する値である。

 船舶に対するCO2の排出規制は今のところ存在しないが、環境に対する意識の高まりを受けて、国際海事機関(IMO)の場で規制の議論が始まっている。数年後にも導入される見通しだ。海運業界が規制の対象になった場合、「排出量取引」によって日本郵船は年間200億~300億円もの支出を余儀なくされる可能性がある。

 こうした危機感から、同社は昨年4月に「クールアースプロジェクト」と呼ぶ社長直轄のプロジェクトを立ち上げた。2050年までにグループ全体のCO2排出量を現在の50%まで減らす目標を掲げる。今後、貨物の運搬量が毎年3%ずつ上昇すると仮定した場合、目標を達成するにはトンマイル(1トンの荷物を 1マイル=約1.85km=運ぶ輸送量)当たりのCO2発生量を現在の15%まで削減しなければならない。目標達成のため、同社は船舶の重油使用量を減らす技術開発を進めている。「アウリガ・リーダーは、重油を使わない『ゼロエミッション船』の実現に向けた第一歩」と日本郵船の田中康夫・技術グループ長は説明する。

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牛島 信 弁護士