「O列車で行こう」

たかが犬、されど犬の「ボー」

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2009年4月24日(金)

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 バラク・オバマ大統領がついに2人の娘であるマリアちゃんとサーシャちゃんと交わした公約を果たした。1匹の子犬をホワイトハウスの住人として迎えたのだ。オバマ大統領は昨年11月、大統領選に当選したら犬を飼うことを娘たちに約束していたが、いつからという時期は明かされていなかった。

 オバマ家にやってきた犬は、黒色と白色が交ざるポルトガル・ウオーター・ドッグ。名前は「ボー」と名づけられた。前脚とお腹が白で、その他は黒い毛で覆われている。まるでタキシードを着ているようだ。

ファーストドッグのボーとホワイトハウス内の敷地を歩くオバマ大統領と娘のマリアちゃん © AP Imagesファーストドッグのボーとホワイトハウス内の敷地を歩くオバマ大統領と娘のマリアちゃん
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 オバマ大統領はファーストドッグ=大統領家の犬の候補を、捨てられた犬から探すと言っていたが、結局は見つけることができなかった。むしろ「見つけなかった」と言う方が正しい。大統領自ら選択肢を示してしまうと、いろいろなハレーションを起こしてしまう可能性がある。

 考えすぎだと言われるかもしれないが、初の黒人大統領だけにこれまでの大統領以上に一挙手一投足が注目されてしまう立場にあるのがオバマ大統領だ。そこで、オバマ大統領の熱心な支援者であるテッド・ケネディ上院議員がプレゼントする、という運びになった。余分な議論を呼ばない心憎い演出だ。しかも、白と黒が交じったボーなら、白人と黒人の融和を象徴する犬にもなる。

 さらにケネディ上院議員はプレゼントするに当たって、毛があちこちに飛ばない「ボー」を選んだ。アレルギーのあるマリアちゃんを慮っての選択だという。アレルギーがあるなら、わざわざ飼うこともないのにと思ってしまうところだが、そうまでして約束を果たしたのは、何も娘をこの上なく愛するからだけではない。

 ホワイトハウスの住人にとって、ペット、とりわけ犬を飼うことは不文律とも言えるものになっている。ビル・クリントン元大統領もホワイトハウスでは犬と猫を、その次のジョージ・ブッシュ前大統領も犬を飼っていた。ブッシュ大統領時代のホワイトハウスのホームページには、ファーストペットの情報ページまで作られていたほどだ。

 犬を飼うことは、米国の中では特別な意味を持つ。彼らは犬好きの国民で、一種のアイデンティティーにもなっている。

「世界一おバカな犬」の大ヒット

 昨年の年末年始に米国で一番ヒットした映画は「マーリー 世界一おバカな犬が教えてくれたこと」。主演は、最近人気の俳優オーウェン・ウィルソン。その妻役は、テレビシリーズ「フレンズ」でブレイクしたブラッド・ピットの元妻ジェニファー・アニストン(日本では2009年3月から上映)。

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著者プロフィール

横江 公美(よこえ・くみ)
PACIFIC21 代表

横江 公美 明治大学経営学部卒業。松下政経塾、プリンスト大学、ジョージ・ワシントン大学客員研究員などを経て現在に至る。政策、研修企画、広報戦略などのコンサルティングを行っている。主な著書に『第五の権力 アメリカのシンクタンク』(文芸春秋刊)、『判断力はどうすれば身につくのか』(PHP研究所)、『キャリアウーマン・ルールズ』(K.Kベストセラーズ)など。2009年2月14日に『日本にオバマは生まれるか』(PHP研究所)を出版。



このコラムについて

O列車で行こう

 「自分は黒人なのか。白人なのか。どちらでもあり、いやそのどちらでもない」

 ケニア生まれの黒人の父と白人の母を持つバラク・オバマ第44代アメリカ合衆国大統領は、生まれた時から自分探しの旅を宿命づけられていた。そのオバマ氏は黒人のミッシェル氏を夫人にすることで、その長い旅路に終止符を打ち、黒人としてのアイデンティティを固めた。

 エイブラハム・リンカーン第16代米国大統領の「奴隷解放宣言」から約150年、米公民権運動から約半世紀が経ち、ようやく誕生した"黒人大統領"。これで米国のかかえるマイノリティ問題が解決されたわけではない。オバマ大統領の新たな解放の旅路は、始まったばかり。

 新大統領が解放すべき問題をユニークな視点から解説する。

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