「時事深層」

プレミアム商品券狂騒曲

囲い込みに奔走する地方自治体

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2009年5月7日(木)

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 全国の自治体が、定額給付金に合わせたポイント付きの「プレミアム商品券」を競うように発行している。経費やプレミアムを税金で補填し、地元で使ってもらう狙いだ。4月20日現在、全国市区町村のうち半分以上の974市区町村がプレミアム付き商品券を発行済みか、発行を予定している。

 定額給付金にプレミアム商品券という合わせ技で、地域の消費刺激効果を高めるのが狙いだ。だが商品券による支出の多くは生活費に回りそうで、「なぜ公共料金に使えないのか」などの苦情まで出る始末だ。果たして景気刺激につながるのか、地元やエコノミストらからも疑問の声が上がっている。

「公共料金に使えない」と苦情

 1万円で1万1000円分、区内約2000店で使える商品券を5億円発行したのは東京・中野区商店街だ。プレミアム分と経費は区から補助を受けた。当初は区役所のみの販売で人気がなかったが、4月17日から区内十数カ所で買えるようにして、売れ行きが改善した。

 地元の商店街活性化が第一の目的のため大手スーパーでは使えないが、一部コンビニエンスストアでは使えるようにした。だが「電気料金の支払いを拒否された。公共料金に使えないなら商品券を返す」などという苦情の電話が事務局に殺到。中野区商店街連合会事務局の安田了事務局長は「消費者は結局、新しい買い物というより生活費に充てるため商品券を買う。全国どこも似たようなものでは」と話す。

世田谷区の様子
世田谷区ではほぼ即日完売

 一方、1万円で買って1万1000円分使える商品券を、居住地を問わずに販売した世田谷区では、今回初めて玉川高島屋で使えるようにした。すると1冊1万円を3万冊、4月24日に販売したところ1日でほぼ完売。7月にもさらに2万冊発行するという。

 プレミアム付与率の高さで目立つのが福井県池田町の「地域応援券」だ。越前市など近隣都市にある平和堂、コメリなど大規模店に取られている客を少しでも町内に向けようと同町が企画。額面1000円の商品券5枚が3000円、一部は町外の住民でも買えるプレミアム商品券を発行した。プレミアム分の原資は政府の交付金である。

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著者プロフィール

広野 彩子(ひろの・あやこ)

日経ビジネス記者。1993年朝日新聞社入社、阪神大震災から温暖化防止京都会議(COP3)まで幅広い取材を経験した後、2001年1月から日経ビジネス記者に転身。国内外の小売・消費財・不動産・マクロ経済などを担当し、『日経ビジネスオンライン』、『日経ビジネスマネジメント』(休刊)の創刊に携わる。米プリンストン大学ウッドローウィルソンスクールに留学し2005年に修士号を取得(公共政策)。近年は経済学コラムの企画・編集、マネジメント手法に関する取材、執筆などを担当。



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日経ビジネス “ここさえ読めば毎週のニュースの本質がわかる”―ニュース連動の解説記事。日経ビジネス編集部が、景気、業界再編の動きから最新マーケティング動向やヒット商品まで幅広くウォッチ。

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