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五味廣文・前金融庁長官に聞く

金融規制の「空白」解消を

  • 加藤 修平

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2009年5月13日(水)

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 金融市場の規制強化について議論が盛り上がってきた。今回の金融危機が金融機関を「自由放任」にした結果であるとの批判は根強い。新たな規制や金融機関経営はどうあるべきなのか。日本の金融機関の不良債権処理に当たった経験を持つ前金融庁長官の五味廣文・西村あさひ法律事務所顧問に聞いた。

 問 世界的な金融市場の混乱を受け、主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議などで規制強化を議論している。

 答 G7ではなく新興国も含めた20カ国・地域(G20)で、規制の「空白」を埋めるという合意があるのは高く評価すべきだろう。だが、議論がどこまで進んでいるのか。ファンドをどう規制するのかなど、各国で意見の違いがある。具体的な規制方法まで首脳が議論すると、政治的なパフォーマンスによって歪められかねない。G20で議論の方向性を決めたのであれば、これからは専門家に任せた方がいい。

規制から漏れたファンド

 問 規制の「空白」とは。

 答 例えば国際決済銀行(BIS)が決めている自己資本比率規制は銀行が対象で、ファンドや投資銀行(証券会社)は対象から漏れていた。証券化商品やデリバティブ(金融派生商品)を今後どう規制の対象にしていくか、格付け機関をどう監督するかという問題もある。自己規律が働かなかったことが、今回の金融危機を生んだ。

五味廣文氏
「昨年3月時点で金融システム不安は明らかだった」と米国の対応の遅れを指摘する五味廣文氏(写真:中原 敬太)

 問 しかし、過度な規制は自由な経営を阻み、金融機関が活力を失う。

 答 すべての行為を細かく法律で縛る「ルールベース」の規制ではなく、常に原則に立ち返って判断する「プリンシプル(原則)ベース」の規制にすることが重要だろう。必要なルールは個々の銀行にとって違うはずで、法律の趣旨やプロとしての常識に従って選択すべきだ。

 問 欧米の金融機関の不良債権処理はどこまで進んだか。

 答 米国で金融機関の資本増強と不良債権処理がパッケージで動き出したのはバラク・オバマ大統領が就任してから。昨年3月に証券大手ベアー・スターンズの経営が行き詰まった時点で金融システム不安は既に明らかだったのだから、着手したのが遅すぎる。まだ山を登り始めたぐらいの段階だ。

 米国の主要銀行19行を対象にした資産査定(ストレステスト)についても、「悲観的」とされるシナリオの方がむしろ、今の現実に近い。果たして十分なテストだったかどうかが議論されると、厄介なことになる。

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