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みずほに“奉加帳”の呪縛

資本の調達急ぐ、メガ“赤字”バンク

  • 中原 敬太

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2009年5月12日(火)

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 最終赤字額が合計で1兆円を超えたと見られる、3大銀行グループの2009年3月期決算。今月中旬の決算発表を前に、既にみずほフィナンシャルグループが5800億円の赤字、三井住友フィナンシャルグループが3900億円の赤字、三菱UFJフィナンシャル・グループが2600億円の赤字見通しを発表済みだ。保有株式の減損処理や、融資先に対する与信費用の増加が直撃した。

 気になるのが自己資本比率。ところが2009年3月末ではみずほFGは「10%台」、三井住友FGは「11%程度の水準」だという。明らかに自己資本が棄損しているのに、2008年12月末とほぼ同じなのは、「先進的内部格付け手法」を導入したことの“貢献”が大きい。自己資本比率の計算式で分母となるリスク資産を減らす効果があり、自己資本比率を押し上げた。

 しかし世界的に資本の中身が問われるようになり、単なる自己資本比率の数字は意味を持たなくなり始めた。中核的自己資本(Tier1)や、その中で優先株や繰り延べ税金資産が占める割合にも注目が集まっている。

見た目より中身が大事

3大銀行グループの自己資本比率

 右のグラフは2008年12月末時点の3大金融グループの自己資本比率だ。自己資本比率やTier1比率では3社ともほぼ同じだが、さらに中身を探ると資本の質の差が浮かび上がる。米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が算出した、自己資本から営業権や繰越欠損金などを除いたACE(修正後自己資本)比率を見ると、三菱UFJの6%台に対し、三井住友FGは4%台、みずほFGは3%台だ。

 「さすが奥さんだ」。4月9日に三井住友FGが8000億円の公募増資を発表した翌朝、みずほコーポレート銀行の佐藤康博頭取はライバル行のトップである奥正之氏の“英断”を称賛した。しかしみずほFGの話になると「うちが同じことができるかというと話は別だ」とつけ加えた。みずほFGには増資に踏み切れない事情があるからだ。

 2003年3月、資本増強に迫られたみずほFGは融資先にいわゆる“奉加帳”を回し、優先株による1兆円増資を断行した。この優先株の転換に伴う株数増加は自社株買いで吸収する方針だったが、環境が急変した昨年以降、自社株買いは中断したままだ。

 また現在の株価がその優先株の転換価格の下限を大きく下回る中で、新株発行はとてもできない。株式持ち合いの解消も永遠の課題だが、企業の株を売却して、銀行の株は買ってくださいというのは到底受け入れられない。

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