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「消費者重視=左翼」に反論する

消費者庁推進者の後藤田正純・衆院議員に聞く

  • 大豆生田 崇志

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2009年5月13日(水)

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 4月17日の衆議院本会議で、消費者庁設置関連3法案が全会一致で可決された。与野党間で政府案を一部修正したうえでの決着だった。参議院でも特別委員会を設置して審議が始まった。同法案は今国会で可決成立すると見られ、消費者庁が今秋にも発足する見通しだ。

 日経ビジネスオンラインは2008年2月に、自民党消費者問題調査会(会長・野田聖子・現消費者行政担当相)の事務局長だった後藤田正純・衆院議員のインタビュー記事を掲載した。後藤田議員は2006年12月の貸金業法改正で中心的役割を果たし、政府が提出した消費者庁設置法案の土台となった自民党案でも議論を先導した。

 貸金業法改正から2年4カ月後の今年4月、衆院で消費者庁設置法案が可決成立した直後に、消費者庁設置までの政界やその周辺の動きを振り返ってもらった。

(聞き手は日経マネー記者 大豆生田 崇志)

 ―― 後藤田正純・衆院議員は、政府提出の消費者庁設置法案の土台となった自民党案の議論を先導してきた。まず衆議院で法案が成立に漕ぎ着けた背景は何か。

後藤田 正純(ごとうだ・まさずみ)氏
1969年生まれ。自由民主党衆院議員。徳島3区、当選3回。93年慶應義塾大学商学部卒、三菱商事入社、98年同退社。2005年11月に内閣府大臣政務官就任(経済財政政策・金融担当)し、2006年9月同辞任。自民党消費者問題調査会、国際競争力調査会、雇用・生活調査会、財政改革研究会の事務局長などを務める。副総理や内閣官房長官などを務めた後藤田正晴氏は大叔父。
(写真:山下 吉雄)

 後藤田正純 消費者庁設置法案の最大の功労者は、福田康夫前首相であり、野田聖子消費者行政担当大臣だ。私は自民党内で議論が通れば、消費者庁設置法案は通ると思っていた。党内を通すうえで、政治決断をしてくれたのは福田前首相だった。

 福田前首相は2007年10月の所信表明演説で「消費者保護のための行政機能の強化」を掲げた。この年の11月には、自民党に消費者問題調査会の設立総会を開いて後押しをした。福田前首相でなければ、消費者庁設置法案は閣議決定しなかった。

 最初は誰も通ると思っていなかった。当時の自民党政務調査会の幹部も「そんなものは無理だろうな」と言っていた。貸金業法改正や他の問題と同じように、何か心に曇りがある経済界の方は皆そう言うものだ。

 しかし立派な上場企業といった良い会社は、消費者庁の設置をぜひやってくれと言っていた。意識ある会社から消費者問題に詳しい人材の紹介を依頼されて、もう5人も紹介した。経済界には、消費者庁の設置は企業と消費者がいずれもウィン―ウィンの関係になる話だと何度も言った。最初から消費者も企業もハッピーになると、野田聖子調査会長も言っていた。

2種類あった反対論

 ―― 「無理だろう」と言われていた理由は何だったか。

 後藤田 反対勢力は2種類あった。

 1つは、消費者庁を「規制強化」と誤解していた「新自由主義」的な人たちだ。しかし消費者庁というのは「規律」であって「規制」ではない。規制緩和と言うとひびきが良いけども、「規律緩和」と言えばおかしいだろう。何か自由にさせたい人は何でもかんでも規制だと決めつけるが、そうではない。その点を何か勘違いした経済界の一部も抵抗した。

 もう1つは、役所の管轄問題だ。官僚は、国会議員を使って反対した。例えば、農林水産省の食品安全委員会をどうするかなど、くだらない役所の縄張り争いに国会議員が使われた。

 その辺は上手に所管法律を共管にさせた。完璧ではないが、それはこれから議論すればよい。最初から完璧なものはできないと思っていたので、まずは箱を作るのが先だった。

 民主党は「消費者権利院」構想を発表した。政府案の消費者庁は内閣府の外局なので首相の指揮監督権が及ぶとして、人事院と同じように内閣から半ば独立した機関(行政委員会)にするという主張をした。

 彼らは後出しじゃんけんで自分たちの色を出そうとした。しかし、民主党の構想は、行政権が発動できない「四権分立」の話になってしまうので論外だった。

 ただ、民主党の趣旨を汲み取るならば、消費者庁を監視する「消費者委員会」の独立性を強化していく。政府案で消費者庁の下部組織となっていた有識者による監視機関である消費者委員会は、消費者庁と同様に内閣府の下に位置づける組織にした。

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