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【隠れた世界企業】ハリウッド御用達
日本の筆

白鳳堂(広島県熊野町・化粧筆の製造販売)

2009年5月22日(金)

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化粧品大手に化粧筆を供給し世界シェア5割強を握る。高品質の毛のみでかなえた繊細なタッチが女心をつかんだ。ニッチトップか全方位か、一層の成長にらみ戦略の岐路に立つ。

 JR広島駅から車で30分。山あいにある人口2万5000人の小さな町に、世界の女性の美しさを支える企業がある。日本最大の筆の産地、広島県熊野町に居を構える白鳳堂だ。高級化粧筆で世界シェアの過半を占める。

 三上宏幸さんなど世界中の有名メーキャップアーティストが愛用しており、品質は折り紙つきだ。ファッションショーやハリウッド映画の撮影を支える隠れた主役と言える。

白鳳堂が生産する化粧筆と伝統工芸用の筆

 高級化粧筆は1本数千円から高いものは1本2万円近くするため、プロの使用が中心だった。ここ10年ほどでメーク専門の女性誌が創刊されたこともあり、OLや学生、主婦といった一般女性の心もつかんだ。市場規模は約100倍に成長したという。

 熊野町の本社工場で生み出される化粧筆は年間400万本。伝統技法に基づいて工程を約80に細分化することで、パートタイマーにも作業がこなせる量産体制を確立した。フランスや韓国の競合先を尻目に繊細さを重んじる日本の匠の技が受け入れられた。工業生産と伝統技法の結晶が、今日も世界の女性の美しさを引き出している。

良質な毛のみを徹底選別

 白鳳堂の筆でほほをなでると感触はビロードのように滑らか。チクチクしたり引っかかることは全くない。

 秘訣は品質の悪い毛を徹頭徹尾取り除き続けることにある。化粧筆の毛の種類は馬やヤギ、イタチなど多岐にわたるが、白鳳堂は裁断などの加工がなされていないもののみ仕入れる。これらの毛の中から、野毛(のげ)と呼ぶごく細い繊細な毛先を持つものを選び出す。野毛の別名は命毛。書道筆で言えば穂の最先端の中心に使う上質な毛だ。

 仕入れた毛を振動機でより分けた後、毛束にカッターのような器具を当てて滑らせると毛先がないものや逆毛、曲がった毛が抜け落ちる。「さらえ取り」と呼ぶ伝統技法だ。その後も櫛ですいたりピンセットで抜いたりと悪い毛を丹念に取り除き、最終的には3分の1から半分近くの毛を捨てる。

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「【隠れた世界企業】ハリウッド御用達
日本の筆」の著者

広岡 延隆

広岡 延隆(ひろおか・のぶたか)

日経ビジネス記者

日経コンピュータ編集部、日本経済新聞産業部出向を経て2010年4月から日経ビジネス編集部。現在は自動車など製造業を担当している。これまでIT、電機、音楽・ゲーム、自動車、製薬産業などを取材してきた。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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